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ららら科學の子

ららら科學の子

ららら科學の子

矢作俊彦

2004年度本屋大賞部門
第10位

クチコミ( 1

男は殺人未遂に問われ、中国に密航した。文化大革命、下放をへて帰還した「彼」は30年ぶりの日本に何を見たのか。携帯電話に戸惑い、不思議な女子高生に付きまとわれ、変貌した街並をひたすら彷徨する。1968年の『今』から未来世紀の東京へ―。30年の時を超え50歳の少年は二本の足で飛翔する。覚醒の時が訪れるのを信じて。

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「ららら科學の子」 の評価/クチコミ

裕久さんの評価:

私が彼の文章に初めて触れた時、ハードボイルド作家だった著者の文章にはキレがあった。

私のような田舎者が知らないお洒落でトレンディな言葉を随所に鏤め、時に皮肉っぽく、時にダンディに物語を紡ぎ出していた。少なくとも、そう感じていた。

それが、どうしたことか。

この作品では著者のアウトロー的感覚が薄れてしまっている。言葉の選択に迷いがある。語彙の豊富さに定評があった著者は、一体どこへ行ってしまったのか。

その理由は、簡単だ。

1960年代末、学生運動に疲れた元闘士が文化革命真っ只中の中国へ渡り、下放を経験して農村で蟄居していたという主人公を設定した時点で、この作品は失敗だったのだ。

終わることなき放浪を選択した人間に、元々帰る故郷などあるはずもない。家族も友人も棄ててしまった人間が30年ぶりに故郷に帰ってきても、過ぎ去った年月を取り戻せるはずもない。時の流れは、一切の弁解を拒み、説明を求めることもないからだ。

団塊世代が追い駆けた果てしなき夢の回想録として読む分には、いいかもしれない。

嫌な空虚感だけが、心の中に残った。

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