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アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

伊坂幸太郎

2015年度本屋大賞部門
第9位

クチコミ( 4

ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。

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「アイネクライネナハトムジーク」 の評価/クチコミ

美緒さんの評価:

ミステリー大好き人間として、米澤さんは明らかに連城三紀彦氏の作風を偲ばせてくれます。

人間の深層心理の複雑怪奇さを、緻密な筆致と見事なまでに組み上げられたトリックで解き明かすストーリー展開は、まさに連城氏の作品を読んでいるかのごとき錯覚を与えてくれますね。

さて、今回の六つの短編作品の中でベスト3を上げるとすれば、最初の『夜警』、表題作の『満願』、そして『柘植』でしょうか。

『夜警』は、警官になるべきではなかった、ただ拳銃を使用したいがために警察官になった青年・川藤。小心者で、失敗を恐れるがあまり小手先だけで切る抜けようとして、周囲を巻き込んでしまう性格が、事件の核心部分に使われていて面白いと思いました。

続いて『満願』は、司法試験を目指していた頃、下宿していた薄倖の夫人の裁判の面倒をみることになった弁護士が知った彼女の殺人を犯した奇妙な動機は秀逸でした。

最後に『柘植』は、今回の作品群の中では異彩を放つ耽美主義的小説でしたね。両親の離婚に伴い、美男子の父親につこうとする美少女姉妹の自作自演の愛の正体には不気味さだけが漂っていて、私にはついていけない世界でした。

やまもんさんの評価:

伊坂テイスト満載のお話です。どの登場人物がどうつながっていくか楽しみなタイプの伊坂作品です。

なんだか読んでて恋をしたくなりました。

おせっかいながら、恋人のいない友達にプレゼントしたくなりました。

出会いがないと嘆く友達に、 「俺、出会いがないって理由が一番嫌いなんだよ」という織田一真の言葉はどう響くでしょうか。

「アイネクライネ」と「ライトヘビー」が特にキュンとしました。

織田一真は、「チルドレン」の陣内にも通じるような、メチャクチャだけど、なんかかっこいい系の男です。

藤間と免許状の女性は、いい感じになっていくのかなぁと思いきや、そういう風に進まないところもよいです。

私は藤間タイプの人間で、旦那さんにいつも同じことを注意されているので、愛想をつかされないようにせねば…と思いました。藤間と同じように、だんだん私のこういうところに旦那さんは慣れていくかと思いきや、そうでもないようなので…。

私が今、「斉藤さん」のところに行ったら、どんなフレーズをもらえるのかなぁ。

みーさんさんの評価:

モーツァルトの小夜曲、「アイネクライネナハトムジーク」がタイトルの本作品、6つの短編作品が詰っていて、6つの物語に登場するそれぞれの人々のそれぞれの出逢いや主人公の残す言葉が心に響きます。様々な角度で描いたそれぞれの出逢いがテーマではないでしょうか。結婚相手や昔の恋人、はたまた不思議な縁のある人や復讐したい人など読者がふと誰かの事を思い起こさせるような作品です。ぐいぐいと引込まれていく物語の展開、読んでいて疲れず、ページを捲るスピードが思わず上がってしまうのは、まさに伊坂ワールド。別々の6つの物語と思いきや登場人物の繋がりが発覚した時のワクワク感と読み終えた時のスッキリ感には思わず唸りたくなる素晴らしさです。本屋大賞の常連作家、伊坂幸太郎の作品にハズレはない!と改めて感じさせる作品です。タイトルのアイネクライネナハトムジーク(小夜曲)、すなわち「小さく聞こえてくる夜の音楽みたい」な出逢いが沢山詰った素晴らしい作品です。

康介さんの評価:

収録された6つの短編が、慎重に選ばれた言葉で紡がれ、緻密に計算された伏線の妙で重なり合い、著者のユーモアで繋がれている。数ある伊坂幸太郎の作品の中でも、一、二を争う質の高さを誇るのではないだろうか。本当に完成度の高い作品だと思う。

それもそのはずだ。調べてみると、この作品はシンガーソングライター・斎藤和義ファンであった伊坂が彼のために書き下ろした「アイネクライネ」から始まっている。その短編を原案に斎藤が曲を作り、その続編として「ライトヘビー」が書かれ、一冊にまとまったのだという。つまり、音楽とのコラボ作品だったということだ。しかし、そんな立ち上がり秘話も、実際の物語の面白さに比べれば、前菜に過ぎないことが分かる。

それぞれの短編の中で、小さなエピソードが積み重なる人との邂逅の不思議さを、伊坂は彼独特の柔らかな筆致と確かな構成力で紡ぎ出している。

個人的には、私と同じ境遇にある男の気持ちを繊細に描いた短編「ドクメンタ」が、お気に入りだ。

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