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ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

柳広司

2009年度本屋大賞部門
第3位

クチコミ( 5

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく…。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイ・ミステリー。

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「ジョーカー・ゲーム」 の評価/クチコミ

わかめさんの評価:

最近映画にもなった作品です。ずっと気になっていてつい最近読み終えたのですが、私が思っていたスパイものとはすこし毛色が違う印象でアクションというよりミステリという内容であったように思います。

印象的だったのはじ「ジョーカー・ゲーム」でのD機関のメンバーと陸軍育ちの佐久間との間に意識の違いでした。佐久間の軍人意識の高さは読み手からすると滑稽に映るものなのですが、当時からすると佐久間の考えかたや行動が当然であったと思うと少しぞっとしました。

また、「魔都」は人間としての脆さや欲深さがにじみ出ている作品であり、こちらもぞっとさせられました。

時代背景は複雑な時期を描いているのですが、短編集ということもあり、さらっと読めてしまう本でした。全体にスピード感や緊張感をあおる描写がそこかしこにちりばめられているためアクションなどがなくともハラハラしながら読めます。

ストーリー展開も難しくはなく、一遍一遍の登場人物が多くないため先の展開が読めてしまう箇所も中にはありますが、それでも面白い作品だと感じました。

ゆゆさんの評価:

日本を舞台にしたスパイ小説です。

スパイが出てくる小説と言えば海外の小説をイメージしますが、この作品は今までのスパイ小説のイメージを一掃させるような出来でした。

派手な行動はせず、密かに相手の懐に探りこむそんな隠密的なスパイたちの活躍が描かれています。

秘密裏に結成されたスパイ機関に在籍するのはあらゆる面で超人的なメンバーたち。

しかしこの作品は彼らを指揮する結城中佐はよく描かれていますが、それ以外のメンバーたちはぼやかして描写されるので読んでいてもまるで自分が騙されているような、そんな錯覚に陥ります。

騙し合いや裏の探り合い、といった心理ゲーム的な面白さがある作品です。

基本的に一話完結型で、彼らの所属するD機関をあらゆる方面から描いています。

もしかしたら実際にこんな秘密組織があったかもしれないな~とそんな妄想をしてしまいます。

世に出る事は無く、鮮やかでスタイリッシュなスパイたちの活躍は思わずかっこいいと思ってしまいますね。

citrusさんの評価:

作品中の世界は第二次世界大戦前か初期にかけての日本かと思います。魔王ともいわれる結城率いる、D機関というスーパースパイ軍団が暗躍する短編が5つおさめられている作品です。

このD機関がとりあえず最強すぎる。ものすごく劇画チックというか芝居っ気があるというか。エンターテイメント小説ならば当然なんだけど、とにかくすごい。実在したスパイの伝記みたいなものをいくつか読んだことがありますが、ここまで凄まじい集団というのはお目にかかったことがありません。超人ぶりが際立っています。

あまり歴史観とかを考えないで、単純に娯楽小説として読むことをおすすめします。漫画化したら映えるだろうなって思ったら、すでに映画化されているということ。

こういうのは実写よりもアニメとかの方が良いかなと思いました。ちなみに続編にあたる作品も刊行されているのですが、そちらの方は一応人間らしい痛みや苦しみみたいな片鱗が見えるので、個人的にはそちらの方が好きですね。

nisiさんの評価:

 一度断念しましたが映画化したので再チャレンジしました。第二次世界大戦あたりの日本のスパイ組織をテーマにした短編集です。話ごとに登場人物が変わるので、区切りが付けやすく読みやすかったです。

 まず感じたのがそのスタイリッシュでお洒落な雰囲気です。昭和のレトロな雰囲気と、軍人が行き交う緊張感が、現実世界を離れてタイムスリップしたかのような世界観です。そして戦時中の汲々としたシリアスな話というよりは、頭脳明晰なスパイたちが華麗に相手の裏をかいて任務を遂行していくというダークヒーローものといった感じです。とびきり優秀なスパイが常人とはかけ離れた記憶力や問題解決力を発揮する所にスカッとしたり、かけ離れているがゆえに孤独を感じるというようなカタルシスに酔ったり、読み進めていくうちにまるで自分が優秀なスパイになったかのような錯覚を覚えます。あくまで錯覚なのですが、子供の頃に戦隊ヒーローものにはまるような感覚に陥ります。このどきどきわくわくする感じは、大人向けのヒーロー小説と言っても過言ではないでしょう。

イックさんの評価:

 物語の背景は太平洋戦争を目前とした昭和10年代で、魔王こと結城中佐が独自に陸軍内に作ったスパイ養成機関であるD機関を舞台に繰り広げられる5つのエピソードから構成された極上の短編集だと言うことができます。

 それそれの短編の主人公ともいえる人物の視点で描かれていて結城中佐の人柄とか容姿とかほとんど描かれていないのですが、この人物に強烈に心を惹かれますしとてもインパクトがありますね。

 日本では少ないスパイ物を描いた作品で、スパイのあり方とか心構えとかとても興味深く読ませていただきました。ミステリーというよりエンターテイメントといった方が相応しいかもしれません。

 5つの作品のどれも素晴らしかったのですが、個人的には「ロビンソン」が一番好みです、ストーリーはロンドンで潜入を果たし、英国諜報機関に捕らえられたD機関卒業生の脱出劇を描いています。

 こういう緻密でありながらシンプルで上質なスパイものがもっと増えると私としては喜ばしいことだと言うことが出来ます。  

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