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バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード

伊坂幸太郎

2014年度

クチコミ( 4

星野一彦の最後の願いは何者かに“あのバス”で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。特別収録:伊坂幸太郎ロングインタビュー。

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「バイバイ、ブラックバード」 の評価/クチコミ

テディさんの評価:

まず5股もかけられる星野が凄い。どんな男性なんだろうと読んでみると、なるほどなかなか憎めない性格をしている。「あのバス」に乗る前にその5人に別れ話をしに行く星野だが5人それぞれに違うドラマが待っている。けれど何より強烈だったのは繭美のキャラクター。巨体という設定なのでマツコデラックスから女性らしさを引いたような風貌を想像した。彼女にはなんて口の悪い横暴な女なんだと苛々したけど、いつしかそれが快感になり毒舌な繭美のファンになっている自分に驚いた。あそこまで徹底していると妙に清々しく思える。実際に周りにいたら嫌だけど知り合いになりたい気もする。読み始めた動機は「あのバス」の行く先が知りたかったからだが、伊坂さんらしい読みやすく親しみやすい物語にどんどん引き込まれてしまった。最終的に「あのバス」の行く先は結局分からずじまいだったけど、分からないからこそ想像が掻き立てられてしまう。ラストのバイクのエンジンがかかったかどうか、モヤモヤが残る余韻まで楽しめる作品だった。

てらさんの評価:

本作の内容は『5股男の別れ行脚』です。もうこれだけで読む気が失せる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは伊坂作品。ちゃんと裏があります。主人公はごく普通な、普通以上に純真なところを持つ、5股男です。彼は何か大変なことに巻き込まれ、2ヶ月後に恐ろしい場所に攫われてしまう予定です。主人公が残された2ヶ月という猶予で、これだけはやって置こうと決めたことが、5股していた彼女たちとキチンとお別れすること。こうして5股男が別れ行脚に出ることと相成ったのです…。正直ここまで聞いても全然同情出来ない方も多いことでしょう。私もそうでした。でも、最終的にはなんでかいつの間にか主人公を憎めなくなる不思議な話なんです。ただ、他の濃厚な伊坂作品を読み慣れている人にはちょっと物足りなく感じるかもしれません。疾走感とかはないですが、ユーモアの中にひっそり潜む不安と恐怖をじわじわ感じる物語です。余談ですが主人公の監視役としている規格外サイズの女性は私の中ではマツコ・デラックスさんのイメージでした(笑)

weak weakさんの評価:

この本で特に目立つ存在は、主人公、星野一彦の見張り役である繭美である。一般の人間からかけ離れた体の大きさと、パワー、乱暴さ。「私の辞書に、『色気』はない。」などと、「常識」や「上品」などといった語句を自分の持っている辞書に黒く塗りつぶしているのだ。読んでいて、その繭美と主人公一彦とのやりとりに笑ってしまう時も多々あった。こんな繭美だが、一見乱暴で性格も悪いと思うかもしれないが、意外といい人なのではないかと僕は思った。筋の通ったことや最もなことを言うし、圧倒的な力で敵も倒す。一連の流れとしては、あのバスに連れて行かれる前に、なんと五股をしていた一彦が五人に別れを告げるということである。繭美と結婚するからということで別れたいというのだが、にわかにも信じがたいのが相手にとっての思いだろう。それでも、あのバスに連れていかれるので、一彦は恋人達と別れるのだ。最終的に、一彦はあのバスに連れていかれるが、そのあと繭美が助けに行くかはよくわからない「キックした。」という所で終わっている。せっかくなら、一彦を繭美があのバスの人達をやっつけ、しっかりと助けて終わる方が良いかとも思ったが、「キックした。」で終わったのも何か作者の意図があったのかもしれない。

じょえたすさんの評価:

太宰治作品のオマージュ作品、との事だが、非常に伊坂幸太郎らしい作品だと思った。

登場人物が全て魅力的なのである。

女の敵のようなことをしている主人公にはなぜか嫌味がなく、応援したくなってくる魅力がある。

主人公と共に過ごす繭美は、でかくて不潔で下品で、全く魅力がないように描かれているにも関わらず、行動を追っているとかわいげや女性らしさを感じる一瞬があったりする。

作中で主人公と交流のあった女性5人も、それぞれ全くタイプの別の女性なのだが、キャラクター性に富んでいて、それぞれとても魅力的だった。

この登場人物たちが作中でそれぞれ、お互いのやりたいように話を進めるので、最初は少し置いてきぼりになっていた。

特に序盤では展開がよくわからず、全く話についていけない。

だが、その後展開を追うごとに設定背景が補完されていく。

登場人物の個性もどんどん馴染んできて、読み進めるほどその個性が快感になってくる。

読み終わる頃には完全に世界感に浸れていて、結末に向かうテンポの良さに引き込まれている。

本当に楽しめる小説だった。

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