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全レビュー・口コミ件数:341件

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ピエタ

ピエタ

大島真寿美

2012年度本屋大賞部門
第3位

クチコミ( 2

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。

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「ピエタ」 の評価/クチコミ

アラサーパパさんの評価:

全体としてゆっくりと時間の流れる本でした。見る人が見れば面白さというものがすぐに伝わる物だと思いますが私には面白さが伝わるのが時間がかかりました。本全体の中でも大抵の本は序章、事件があり、クライマックスがありと一冊の中でドキドキワクワクがあるものですが、ピエタは最初から最後までほんのりというか、緩いといいますか。中々無い本だなと感じたものです。

本の中にテーマになっているアヘン。これには少々興味が湧きました。今では完全に麻薬という枠組みになっており、実際にアヘン戦争なるものまで引き起こしてしまっている代物です。アヘンは幻覚などを見せる麻薬ではありますが、病人に使えば痛みを和らげたり、安らかに眠れたり、気持ちを落ち着かせたりとプラスな要素も沢山あるのだなという事を教えてもらいました。だからといって麻薬を容認するものではありませんが、人を守る為についた嘘は許される様に、人の為に真剣に使う麻薬という考え方もあるのかなと思いました。

グルヌイユさんの評価:

読んでいる間に何度となく、海外の翻訳小説を読んでいる錯覚にとらわれた。

18世紀のヴェネチア。ピエタという名の、孤児を収容する修道院。そこに作曲家ヴィヴァルディの死の知らせが届く。ヴィヴァルディはピエタで、音楽の才能のある子供たちを指導していたのだ・・・

まるで現実に起きた歴史小説のように感じてしまうのは、実在の人物が登場しているからではなく、その文章力・表現力の巧みさにある。ヴェネチアの冬の空気、修道院にひびく子供たちの声、冷たい石造りの建物の感触までもが思い浮かび、その世界に取り込まれていく。

そしてそこに登場する様々な個性を持つ人々。

物語の語り手で、生まれた時からピエタで暮らすエミリーア。真面目でしっかり者の彼女は、やがてピエタを取り仕切っていくようになる。エミーリアと同時期にピエタに来た、音楽の天使アンナ・マリーナ。ピエタに寄付をする貴族の未亡人ヴェロニカ。そして極め付きは誇り高き高級娼婦のクラウディア。

すべての登場人物が、与えられた人生を必死で生き抜こうとする。その強さ、逞しさはすがすがしく感じられるほど。

歴史や謎、光と影を織り込んだ、まるで上質の絹織物のような手触りを持つ小説です。

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