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ミーナの行進

ミーナの行進

ミーナの行進

小川洋子

2007年度本屋大賞部門
第7位

クチコミ( 4

美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない―ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。

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「ミーナの行進」 の評価/クチコミ

りょーこさんの評価:

とってもかわいい物語です。乙女な御伽話です。登場人物が、みんな魅力的です。

フレッシーの館に住んでみたくなりました。

天蓋付きベッドやカバのポチ子、真鍮製総レースの乳母車、かわいいマッチ箱、そこに書かれたお話、クレープ・シュゼット。乙女心をくすぐるものたちが、たくさんでてきます。

挿絵もファンタジー感があふれてて、素敵です。

私も昔、マッチ箱を集めていました。特にパッケージのかわいいインドのマッチをたくさん集めていました。旅行に行くと、各国の砂糖袋も集めていました。特にヨーロッパのカフェで出される砂糖がかわいかったのです。

でも、最近、大掃除の時に、ガサっと捨ててしまいました。

この本を読んで、ちょっとはやまってしまったと後悔しました。

ミュンヘン五輪のバレーボールのお話が出てくきます。

ちょうど北京オリンピックの女子予選見てるときに読んでいたので、共感しました。

「博士の愛した数式」以来、小川洋子さんの他の本もいろいろ読みましたが、あまりピンとこなかったのですが、これは「博士」系で、よかったです。

幸四郎さんの評価:

小川洋子は、同世代の作家として、今でも読み続けている作家の一人である。

彼女の透明感のある伸びやかで柔らかな文章は、この作品でも余すところなく披瀝されていると思う。

母子家庭に育った朋子は、経済的余裕のない母親の許を離れ、芦屋の叔母夫婦の家から中学に通うことになる。

子供から大人へ、少女から女へ、成長を遂げようとする一人の少女の目を通して、1972年という年を鮮やかに蘇らせている。

ミュンヘン五輪で金メダルを目指す日本男子バレーボールチームの熱戦を熱烈に応援したり、その五輪中に起きたイスラエル人選手団虐殺事件に心痛めたり、好きだった川端康成の逗子での自殺のニュースに震撼したり、私のような年代の人間にとっては本当に懐かしい出来事ばかりが描写されていて、いちいち頷きながら読んでしまった。

激しく揺れ動く外界に世の儚さを思い知ったり、成長し切っていない自分の未熟さに気づかされたり、あの時代の若者が感じるであろう人間的懊悩を、淡々とした筆致で見事に描き切っていると思う。

齢を重ねるにつれ、ますます筆が冴えてきているようだ。

かばのシャーロットさんの評価:

自分が本の舞台である地に住んでいるため、感慨もひとしおでした。読みながら、ミーナやその家族、主人公の息吹をそこここに感じることが出来ました。

さすがにカバはいませんが、作中に出てくるお店や、主人公がドキドキしながら通った市立図書館(村上春樹も通っていましたね)は今もあります。

山の手のお屋敷の住人が遠出したがらないのも今も同じですね。

個人的には、主人公がミーナのために工場へ行くシーンが一番印象に残っています。

思春期にさしかかろうとする多感な少女の、病弱な友だちを守るためのささやかな冒険。

主人公自身も親元から離れて本当は寂しかっただろうに、ミーナのために奮闘する健気さに胸が打たれました。

他にも、図書館の気になる職員に本の感想を伝えるシーンや(本当はミーナの感想だけど)、ミーナの恋の行方を自分の胸だけにおさめるシーンなど、主人公の成長物語としても楽しく読めました。

そしてラスト、儚かったミーナはなんと海外で自立しており主人公との絆は続いています。

美しく暖かい少女時代の思い出は、成長の礎となり、二人を今も支えているのだと思いました。

66さんの評価:

私がこの作品で1番好きなところは、ミーナと朋子がバレーボールに熱中し、ミュンヘンオリンピックに出場した男子バレーボールの選手たちを心から応援しているところだ。

小川洋子さんは史実を作品に絡めるのが上手い。「博士の愛した数式」では阪神タイガースの選手。「猫を抱いて象と泳ぐ」ではアレクサンドル・アリョーヒン。実在の人物が実際にあった活躍で創作の物語に華を添えている。

「ミーナの行進」でも、ミュンヘンオリンピックの開催中に起こった痛ましい事件や、そんな中で金メダルを目指した男子バレーボール選手たちの活躍が克明に描かれている。恥ずかしながら、私は事件のことも選手たちのこともこの作品を読むまで知らなかったが、まるでその時代を生きたかのようにのめりこめた。

また、ミーナの祖母が分断される前のドイツ出身であることも、大きな意味を持っている。それは、史実と創作の辻褄を合わせるための小細工などではなく、彼らが確かに生きた人間であることを感じさせるもので、私に生まれる前の時代だけでなく架空の世界を現実のように感じさせてくれた。

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