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ユリゴコロ

ユリゴコロ

沼田まほかる

2012年度本屋大賞部門
第6位

クチコミ( 2

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

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「ユリゴコロ」 の評価/クチコミ

えいちゃんさんの評価:

とにかく「ユリゴコロ」と題された手記の続きが気になり、一気に読破できる作品でした。環境や様々な感情に左右されたとはいえ、幼き頃からの殺人に関しては正直同感できません。井戸の事件に関しても殺人なのに殺人ではないかのような爽やかささえ感じてしまう。これは沼田さんの素晴らしい技量なのかもしれません。そしてこれを自分の母親では?と半信半疑で手記を読み進めている亮介のドキドキ感は読み手にもかなり伝わってきました。最終的には父親と子どもへのシンプルな愛情が母親を救ったとされている、簡潔に言えば湾曲している女性が愛に目覚め、家族のために愛に生きるというストーリー。最後は素敵な結末だったかと思いますが、やはり過去にしてきた様々な犯罪については肯定できかねるため、個人的には一概に素敵な作品だったと言えないのも事実です。ただし、現実にも殺人までは行かずとも、何事もストレートに受け止めることのできない人は沢山いるのでしょう。そしてその大きな原因の一つが愛情不足だということも否めません。それを考えると現代の見えにくい闇を反映した作品とも言えるのかもしれません。

わらこいさんの評価:

主人公が実家で見つけた「ユリゴコロ」と題されたノートは殺人の記録だった。殺人者は父なのか母なのか。母が入れ替わったような気がするというのはどういうことなのか。

ノートの内容と主人公の語りが交互に出てくる構成で、先が気になって一気に読んでしまった。文章が非常に読みやすかったのもあるだろう。

私はなぜかいつもアウトサイダーに感情移入してしまう傾向がある。そのせいかこの殺人者はとても気に入っている。心の空虚さを埋めたいという欲求は誰もが持っているものだと思うが、その空虚さを埋める手段が殺人だったということだ。それでしか満たされなかったのだろう。しかしある人物と出会ってから殺人者の心が変化していく。「レッド・ドラゴン」のダラハイドを思い出す。これもまたお気に入りの殺人者である。

それからの終盤の展開は驚愕だった。切なくて涙が止まらなかった。ラストは意外にも幸福感に満たされ爽やかにすら感じられた。自己的な理由で犯し続けた殺人から愛情ゆえの殺人へ。それは法律などでは裁けないものかもしれない。

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