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八日目の蝉

八日目の蝉

八日目の蝉

角田光代

2008年度本屋大賞部門
第6位

クチコミ( 8

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

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「八日目の蝉」 の評価/クチコミ

やまもんさんの評価:

序盤が、けっこう読んでてつらかったです。

どんな展開になるのか?という暗いはじまりでした。

つらい気持ちで読んでいるうちに、ドンドンひきこまれていきました。

この本は、特に女性が読むと、グっとくる本だと思います。

主人公のしたことは、いろいろひどいけど、共感できるところも、いろいろあります。

子供時代にどうやって育てられるか、愛情を受けるかって、やっぱり重要です。

映像化するなら、主人公・母は小泉今日子が合うと思いながら読んでました。

主人公・娘は若くて理髪そうな子が合いそうなので、ナタリー・ポートマンを日本人にした感じの子がよいと思っていました。(実際は、映画版は永作博美×井上真央になりましたが、これはなかなか良い組み合わせですね。テレビ版の檀れい×北乃きいも悪くはないけど、映画版に比べると、ちょっと好みではないです。)

エンジェルホーム的な組織にも興味をもち、いろいろ調べました。

問題あるところな気がするけれども、うまくすれば、楽園になりえるかもしれないのかなぁと…。

なあちゃんさんの評価:

不倫相手の子どもを誘拐し、わが子のように愛情を注いで育てる。とにかく始まりは衝撃的でした。そしてそんな始まりに対して最初は嫌悪感を抱きつつも、徐々に誘拐した女性への感情移入をしている自分に驚かされます。捕まらないで、薫と幸せになってとさえ願ってしまうほど。本当に角田さんの技量が光る、本屋大賞にふさわしい作品だったと思います。

ただ、やはり幸せな生活は長続きしない関係であり、その代償を一気に背負うことになる薫、いや恵理菜。後半は実の両親と暮らすことになるわけですが、そんな実の両親も恵理菜との接し方が分からない。そしてそんな両親との接し方がぎこちなくなってしまう恵理菜の葛藤もよく伝わってきます。愛されたい自分、愛したい自分、家族とは何なのか、親とは、愛とは何なのか。いろんな疑問にぶち当たり、答えを見つけたいような、見つけたくないような。そして犯罪者とはいえ、深い愛情を持って育ててくれた希和子への感謝と愛情がある事実も否めないという複雑な心情が読み手の心にストレートに突き刺さり、涙を誘います。

らむさんの評価:

映画の方を先に観ましたが、悲しくて切ないストーリーに惹かれて小説の方も読んでみました。小説の八日目の蝉は最初の方から飛ばしていて、読んでいてのめり込めて、切り口が本当に上手だと感じました。ただ、2章から少しペースダウンしていて、誘拐した子供の成長や感情などを淡々と書いている感じがして、もうちょっと周りの情景を描いてくれたらもっと良かったかなと思いました。内容は不倫相手の子供を誘拐して、その子供と逃亡生活をするというストーリーなのですが、子供を誘拐した主人公が悪いと、一言では片付けられない内容で、心を締め付けられました。私だったら主人公と同じ立場に立たされた時に、どんな行動を起こすだろうとか、私だったら泣き寝入りしそうとか、自分の中でいろんな感情が湧き上がるそんな小説でした。

後半は、誘拐された子供が大きくなって、誘拐犯の母と同じように既婚者を好きになってしまう内容でしたが、そこもよく計算されて描かれていて面白かったです。ラストも主人公と誘拐された子供の今後が想像できる終わり方で、感動しました。

かばのシャーロットさんの評価:

大ヒットした作品で、読み物としては大変面白いのですが、感情移入は出来ませんでした。

まず、主人公の希和子の気持ちが全くわかりません。

不倫の果てに相手の妻の子どもを盗むのは、当然非難される犯罪行為でしょうが、それ以前に、乳飲み子をいきなり連れ帰って育てることなど不可能だと思ってしまうのです。

赤ちゃんはそれほど繊細で庇護の必要な生き物です。

保護者の適切な世話なしには数日も生きながらえることはできないでしょう。

本の感想からは離れるかもしれませんが、育児はそんな甘いものではないというのがまず念頭にあるため、希和子はじめ登場人物に感情移入することはできませんでした。

それにもし希和子に人並みの母性があるならば、自分が誘拐して4歳まで育てたせいで、薫こと恵理菜のその後の人生を狂わせた事実に耐え切れないと思うのですが。

やはり希和子は自己中心的で、4年に渡る育児ごっこを楽しんでいたとしか思えないのです。

こと育児に関しては、同じ作者の「森に眠る魚」のほうがずっとリアルで共感できると感じました。

REIさんの評価:

愛する男性の子供を連れ去り、逃亡する女と

母親だと信じていた女が誘拐犯だったことに苦しみ続ける女。

この二人の女を軸に物語は進みます。

逃亡生活は苦しみを伴いますが、それでも二人の女には親子としての絆が生まれ、力を合わせて寄り添って生活しているうちにより深い絆となっていき、それに比例して幸せな時間が少しずつ増えていきます。

しかし逃亡生活が終わりを迎え、女二人は全く別の道を歩みます。

一人の女は罪を償い、一人の女は本来の生活に戻ります。しかしその女にとっては、逃亡生活が現実の幸せな生活であり、戻った本来の生活は苦痛そのもので、心のどこかでもう一人の女を姿を探してしまうことに苦しみ続けます。

なぜ自分はこんな目にあうのか、なぜあの女はこんなひどいことをしたのか。そしてなぜ自分はひどいことをしたあの女を忘れることができないのか、と日々悩みながら大人になっていきます。

女であるが故の愛情と母性が二人の女を苦しめ、でも女であり続けたいと願う心の叫びが常に聞こえてきます。誰が一番悪いのか、何が一番悪いのかと考えさせれらる一冊です。

響さんの評価:

『対岸の彼女』を読んだ後、すっかり角田光代さんは癒し系の文章を書く作家さんだと信じて疑わずに『八日目の蝉』を購入しました。

読んでみて、内容の衝撃度の凄さにリアルに恐怖を感じて、こんなに感じの違った作品を書ける作家さんなんだと驚いたのを覚えています。

不倫相手の産まれたばかりの娘を誘拐して薫と名付けていた女、希和子の母親では無いのに母親らしさというか母性というかその暖かさは何さ??と心の中がぐちゃぐちゃになります。

母と認識していた人が本当の母では無くて、ある日突然別れがやって来るなんてどれだけ子供(幼児)にとって不幸なんだろう。自分が母親になってから子供が不幸になる話がどうしても辛くて、涙が止まりませんでした。本当に凄くリアルで何でこんな事があるんだろうかと、怒りまで覚えて疲れました。

読んだ当時、我が家にも赤ちゃんが居たので読んでいてしんどくなりました。それ程リアルな作品という事なんでしょう。

エゾシカオさんの評価:

子供を持つ親としては、他人の子供を誘拐して育てるなど言語同断。絶対に許せない行為です。しかしこの小説の中で見えてくるのは、命の尊さは何物にも代えがたく、全てにおいて優先されなければならないと言うことではないでしょうか。不倫相手から、いくらひどい仕打ちを受けたからと言って不倫は不倫。その代償が大きいことは本人もわかっていたはずなのです。それでも止められない衝動にかられ誘拐し、子供を身近にしたことで母性が目覚めて行き、その後は愛情のすべてをその子に注いで行く。行動は大きく間違えており非難以外の言葉はありませんが、命を育むと言う行為は全てにおいて優先されるべきであり、その美しさを感じることは十分にできた作品だと思います。最初は誘拐犯の目線で話が進み、後半は大きくなった誘拐された子供の目線で話が進みます。あえて書かなかったのだと思いますが、誘拐された両親の目線でもう少し書いてくれても良かったのかなとは思いました。子供を誘拐された親が、いったいどんな気持ちでいるのかを。内容が内容だけに非常に辛辣な意見をいう人もいますが、フォクションとして純粋に面白かったです。

新さんの評価:

角田光代さんは、数々のヒット作品を生み出していますが、

私自身が面白いと思ったのは、「八日目の蝉」と「森に眠る魚」です。

八日目の蝉の主人公はいわゆる誘拐犯で、社会的に許される行為ではありません。

それでも、なぜかこの主人公を応援さえしたくなってしまったのは、同じ子どもを育てている境遇ゆえでしょうか。

子どもを育てるということが、考えている以上に大変なんだと

気づかされました。私のように夫の収入を頼りながら、ではなく、自分で働きながら、各地を点々としながら、子どもを育てる、ということがいかに大変か。何にも守られることなく、子どもを育てることがいかに大変か、ということに気づかされました。

そして、大人になった娘は主人公に対して複雑な感情を抱いています。主人公の行為はまさに無償の愛、です。

子どもを誘拐されてしまった両親や、子ども自身に対しては

もちろん同情の余地があるのですが、やはり主人公を擁護したく

なる気持ちを否めませんでした。01211234

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