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全レビュー・口コミ件数:341件

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告白

告白

告白

湊かなえ

2009年度本屋大賞部門
大賞

クチコミ( 14

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

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「告白」 の評価/クチコミ

やまもんさんの評価:

話題だから読んでみましたが、なかなか読み応えがありました。

1つの事件を元に、主人公を変えたオムニバスなんですが、主人公が変わると、前の話で感じた印象と別の印象をもったり、そんなところが面白かったです。

ダメな人を更正させるために時間を割くより、普通に授業を聞いてる子に迷惑をかけない指導法は、マンガ「鈴木先生」に通じるものがあります。

「ダメな人でも必ず更生することができる」というような言葉がありましたが、これは疑問に思います。

もちろん、そうであってほしいのですが、そうでないのが現実な気がします。犯罪者の更生プログラムって、すごく難しい問題だと思います。

それよりは、一人一人がきちっと子育てをして、犯罪者にならない環境を整えるほうが、まだ簡単な気がしますが、それはそれで難しいことなのでしょうか。

映画化も評判だったので、見に行きましたが、小説と違って、ぴんときませんでした。

現代の子供の息苦しさと気持ち悪さばかりが感じられて、つら~いかんじになりました。

めいたさんの評価:

ある事件の起きた教室で教師がもうすぐ自分は教師を辞めると話し始めるところから物語は始まります。教師の口から語られる告白を皮切りにいろいろな人物の視点から斬新な切り口で事件について語られていきます。湊かなえの本作品は今までにない語り口で巧妙に練り上げられたストーリーが少しずつ紐解かれていくのですが、その進み具合が何とも絶妙で読み進めるうちにある種の快感を覚えるような作品です。しかし、その内容は人間の暗い部分を直視するかのようなひやりと冷たいもので、湊かなえの作品がイヤミス(読んだ後いやな気分になるミステリ)と呼ばれるきっかけとなった作品です。ミステリ好きの人にはぜひともお勧めしたい新しいタイプの作品ですが、明るくさわやかな作品がお好きな方、気分が少し落ち込んでいる方などにはお勧めできません。余計に落ち込んでしまうと思いますので…。とはいえ私は読み始めるとあっという間に読み終えてしまうほど夢中で読みました。元気な時にぜひ読んでみてください。

えいちゃんさんの評価:

湊かなえさんの作品はこの「告白」が初めてでしたが、まず構成の斬新さに驚きました。各人からの目線でストーリー展開されていくという新しい読み進め方は、読み手にも分かりやすく且つ一気に読破してしまう魅力があります。大概の小説は主人公に感情移入しがちで、主人公の気持ち=読み手の気持ちとなり、サブキャラの人たちの考え方や想いは二の次です。しかし、「告白」はもちろん主人公の気持ちをメインに感情移入していく

わけですが、サブの人たちの気持ちもしっかりと描かれているので、通常であれば伝わりにくい筆者の考えもしっかりと伝わる作品かと思います。

内容においては、とにかく卑劣で苦しいもの。教師としての立場もありながらもやはり第一の役割は母親なんだという主人公の葛藤は、同じ教師、同じ母親として痛いくらいに伝わってきました。読んでいる間はその復讐方法に至っても共感できるほどでした。むしろよくぞやってくれたと。しかしながら現実に置き換えるとどうなのかといろいろと考えさせられる作品でもありました。

アラサーパパさんの評価:

湊かなえさんの本大好きです。いつもワクワクドキドキさせてくれます。告白の中でも、途中で張ってあった伏線を最後の方で一気に回収する流れは流石です。湊かなえさんの本はいつも本だけでは無く映画の方も見ています。映画も嫌いでは無いですが、やっぱり原作が一番ですね。本よりはいつも薄くなってしまっているので面白味が若干下がります。湊かなえさんの書くキャラクターというのが本当に癖になります。陰険で、自分に酔っていて、本音を他に隠して人間を信用していないダークなキャラクターが多く、自分だけが違うのか、実は世の中みんなこんな事考えてるんだってびっくりさせます。もし本当に世の中の人達が皆、本の中のキャラクターのようであれば、私は生きる事すら辛くなってしまいそうです。本の中だからこそ楽しめるのでしょうね。とても面白かったと思います。皆さんにも告白はもちろんお勧めですが、湊さんの本は他も面白いので全部お勧めです。

詩織さんの評価:

この本は、一方的に主人公が読者に語りかけるような手法で書かれています。

最初は理解が難しかった事柄も、読み勧めるうちに点と線がつながってそういうことかと少しずつ納得できるようになっています。

ページを開いた瞬間からかなえワールドにひきこまれ、どっぷりとはまってしまいました。

事件の真相はどうだったんだろう?娘さんはどうしてあのようなことになってしまったんだろう?とあれこれ創造をめぐらせていましたが、結末はまさかとしか言いようがありませんでした。

生徒の気持ちになって本を読み勧めると、背筋が凍ると言うか血の気がひくような気分に陥ってしまいました。

ここまで綿密な計画を立てて復讐をくわだてることが出来る人間がこの世にいるのでしょうか。

結末はとてもあいまいで、その後のことがこの本には書かれておらず、読者はきっともやもやとすることでしょう。

しかし、この結末をハッピーエンドととらえるか、バッドエンドととらえるかは読者次第なのです。

弥生さんの評価:

簡潔なタイトルとシンプルな装丁、それでいて何故かゾクッとするような雰囲気に惹かれました。

そして読破して驚いたのが、終始ほぼ主人公の台詞だけだった事。つまり「一人称の小説」を上回る「一人の語り掛け」なのです(少なくとも表題ではそうでした)

にも関わらず、グイグイと読者を最後まで惹きつけて離さない。これは何といっても、主人公が「告白」する事によって徐々に追い詰めていく犯人は誰なのか?…というミステリー要素が一番の魅力でしょう。

舞台はとある学校の教室(中学校だったか高校だったかは、忘れてしまいました)

登場人物は主人公である女教師と、彼女が受け持つ生徒たち。

事件現場や詳細でさえ、「告白」の中での話し言葉として扱われているから、舞台はずっと教室のままで主人公の台詞以外は何も聞こえて来ない程の沈黙が、ひたすら怖い。

最初からこの中に犯人がいるのは彼女の言葉で分かっているのに、ギリギリ最後までそれは誰?と自分以外の全員を疑いたくなる雰囲気…きっと、犯人である当人が一番の恐怖心を抱きながら「告白」を聞いていただろうな、と思わせるようなものがひたひたと伝わってきます。

イックさんの評価:

この「告白」という作品は奏かなえさんのデビュー作であり「週刊文春ミステリーベスト10」の1位に輝き本屋大賞1位となった作品で映画化もされた話題作なのでかなり期待して読んだのですが、私としてはアレ?といった少々期待外れといった感覚が否めません。

自分の子供を校内で亡くした中学教師の告白で物語はスタートするのですが、次々と語り手が変わって感情移入がしにくいのです。級友・犯人・犯人の家族と様々な視点から事件が明らかになっていくのですが、正直読んでいて楽しいといった小説ではありませんし、マイナスの感情が至る所に散りばめられているといった印象を受けました。

勿論題材が題材なので楽しく読むといった感覚の小説ではないのかもしれません。ですがリアリティに欠けるというか少々ステレオタイプの登場人物が多いというか主人公を含めたキャラクターに魅力が感じられませんでした。救いのないラストで少々後味が悪いのもそれに拍車がかけていたように思います。

らむさんの評価:

この作品は映画化されたことで知りました。最初に映画を観たのですが衝撃な内容で小説の方も読んでみようと思いました。小説というと一人称や三人称など描き方は様々ですが、告白はドラマや映画のように場面が切り替わるように、それぞれの登場人物の心情が上手く描かれていて読んでいて面白かったです。主人公の教師が自分の娘を生徒に殺されてしまうという内容で、犯人や犯人の周りの人物を追い詰めていく様子だったり、犯罪を犯してしまった生徒の感情などの表現力がすごくて、読んでいる側はどちらの感情も理解することができて小説にのめり込む事ができました。また、主人公の淡々と話す感じが憎しみや悲しみなどの感情を押さえ込んで、ただただ死んだ娘のために復讐を果たそうとしているところが胸をギュッと締め付けられるような感情を抱きました。最後は主人公の教師が犯人の心理を先読みして衝撃的なラストで終わるのですが、読み終わったあとも余韻に浸れる良い作品でした。

nisiさんの評価:

 映画化したので映画の方も見ましたが、やはり本の方が印象に残っています。文字のみの表現で映像を上回る作品はやはり良作だと感じます。教師と子供という枠を超えて、それぞれが人間として対峙し、向き合った作品と言えると思います。ただしそれは人間関係や思いやりというプラス方面の関係性ではなく、憎悪や敵対心や誰もが抱えている心の中のもやもやした不快感を浮き彫りにするようなものです。

 読み終えて印象的だったのは、娘を殺された女教師が、大人としての建前を脱ぎ捨てて教え子に対して牙をむいたという所です。それも、ただ娘を殺した憎い犯人を憎悪するというだけでなく、考えうる限り最もダメージの大きい方法で二人をひねりつぶしてやろうという魂胆のもと、大人の全力で子供を敵として葬り去るというのがこの作品のメインテーマのように思いました。

 思春期にありがちな子供の闇が小さな子供を殺し、その罪の大きさを、「子供」という免罪符はないのだと言って大人が断罪する。幼いからと言って許されないことが世の中にはあるということを示し、また、すねた目で大人を馬鹿にする子供に、今はやさしく手加減してくれている大人の恐ろしさを目の当たりにさせる作品です。

ネルドリップコーヒーさんの評価:

かなり評判になってから読んだのですが、やはり面白かったです。

各章が、主な登場人物の独白の用な文体になっていて、読みやすかったです。被害者、加害者、その家族、巻き込まれる者、救えると信じて動く者、、、。

自分がそれぞれの人物になり、事件の核心を観たり、時には引いて全体像を観たりして読み進むことが出来ました。

ストーリーの先が気になり、スピード感もあり、日を置かずに一日で一気に読み終えるほどの面白さはあったのですが、胸が震えるほどの感動には、あと一歩でした。

また、それぞれの登場人物が抱えている入り組んだ事情が、ていねいに書かれていましたが、これぐらいの理由や追い込まれ方で、人を殺すまでいってしまうのだろうかとも思いました。

人を殺すということのハードルは、とても高いものだと思うのですが、それほどの高さを感じないところが、現実社会の犯罪に通じているようにも思いますが、もの足りなさも感じました。

時間をおいて再読すると、このもの足りなさが消えて、凄みや計り知れなさを感じることが出来るかも知れませんが。

響子さんの評価:

この作品を読み終わった時感じたのは『恐怖』でした。

湊さんの作品は読み終わりは『恐怖』を感じるので、この作品だけが怖い訳では無いのですが。

『恐怖』とは悪い意味では無く、サスペンス(ホラー?)の意味での『恐怖』です。読み終わった後が物凄く怖いのです。サスペンス(ホラー?)作家の中で文章力はピカ1かも?と私は思っています。

この『告白』という作品は復讐劇なのですが、伏線もしっかり回収されているし、一度読み始めると途中下車出来ない暴走列車のように、読まずには居られなくしてしまうあの感覚は本当に凄いです。

湊さんが書く作品は読ませる力が凄くて、読んだ後の『恐怖』の大きさにいつも驚かされます。そして、どれだけ夢中で読んでいたのだと思うぐらい疲れています。

一度あの読み始めたら止まらない感覚を味わって貰いたいです。

後々、読み終わった後に『恐怖』だけでなく色々な感覚が味わえる作品を湊さんが書き上げたら神のような存在になってしまう気がします。

totoromiyuさんの評価:

娘への愛から、娘を殺された恨みへと変化していく様が描かれていて、最後はどんな終わり方になるのか、ドキドキハラハラしさせる内容でした。

元教師であること、亡くなった旦那がHIVであること、たった一人の愛娘であったこと。愛娘を失った悲しみは計り知れなませんが、元教師であるだけに、どこか心の中でそこまではしないだろうと安心していた気持ちをとことん裏切られ、ゾッとさせられる台詞がたくさん出てきました。

今の若者の心に、母親の愛がどれ程のものなのか、実感してもらえる良い機会にもなりそうですし、母親の愛は法を越えるものなのかどうか、読者に投げかけている本でもあると思いました。

牛乳の中に本当にHIV患者の血液を混ぜたのか、それが本当に発症してしまうのか。主人公は本当に感染していなかったのか。また、そもそもHIVに感染する可能性はどの程度のものなのか。感染させられたかもしれないと恐怖に戦く生徒の心が壊れていく描写も見物でした。

エゾシカオさんの評価:

この本を初めて読み終えたとき、すぐに二回目を読み始めたのは今でも憶えています。自分は割りとじっくり読むタイプで、途中の伏線などでわからないところがあれば、少し戻ったりしながら読み進めていくのですが、この時はとにかく最後まで読みきりたいと感じ、一気に読み終えた本でした。二回目、三回目と読むことで、細かな伏線がはっきりとわかり、そのストーリーの緻密さに驚きました。登場人物がそれぞれの視点で、それぞれの語り口調で少しづつ事実が見えてきます。ですが、全ての視点が自分本位で、決して他者を受け入れること無く突き進んでゆきます。その姿が恐ろしくもあり、ある意味爽快でもありました。その爽快さが中学生の純粋さなのかもしれません。とにかく面白く読みやすいので、誰でも一気に読むことができる本だと思います。内容から、とても映画化はできないだろうと思いましたが、松たか子の好演もあり実に上手く撮られていました。映画を先に見るのも良いかもしれません。ただ想像を膨らませられる分だけ本の方が怖かったですが。

まいくさんの評価:

この本はかなり複雑な感じで構成されているので初めはどういう話なのかを読み取るのは難しいかもしれません。というのも、異なる5人の視点からみた感じで話が書いてあるわけです。そして、それぞれ5人の視点から見た話というのは矛盾していてそのことが読んでいるうちに次第にわかってくるという感じです。私自身も初めて読んだ時はどういう話なのかということが読み取れず、なかなかスッキリとしない感じになってしまいましたが2回、3回と読み込んで行くうちに次第に筆者が仕掛けた罠というものがどういうものなのかがわかってきたのです。それが、わかってからはかなりスッキリとしてそれと同時にこれを書いた作者の方は本当にすごいんだなぁと感心させられたのを覚えています。割と難しい話なのでそんなに若い人が読むような読み物ではないと思いますが、シリアスな感じの話が好きな人には絶対読んでもらいたいです。また、自分が探偵になった気持ちで読んでいくのもかなり楽しいんではないでしょうか。

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