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天地明察

天地明察

天地明察

冲方丁

2010年度本屋大賞部門
大賞

クチコミ( 8

江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

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「天地明察」 の評価/クチコミ

ひろきさんの評価:

沢山の惚れる人が出てくる爽快感溢れる作品でした。
作品はライトノベルと呼ばれるタイプになっているので、従来の小説をイメージしていると少し違和感を感じるかもしれませんが、長編になっている分読みやすく、すんなりと最後まで読み切ることが出来ます。
テーマとして江戸を扱っていますが、数学や天文学といったあまり触れた作品が少ない中で、ここまでエピソードがふんだんに盛り込まれているので、驚きや感動がたくさんあり、当時の人が科学や宇宙に抱くロマンの感じました。現代でも分かる部分もあり、読み終えると誰かに言いたくなってしまうほどの重大な秘密を知ってしまったような感覚になります。
沢山の登場人物が居ますが、名前だけで終わらずきちんと描かれているので、読んでいてわからないという部分もありませんでした。
この本の魅力は、平和な時代で何もかもが安定していても、何かを生み出すということは可能だということ。情熱を持ち努力する。現代でも活かせるものだと思います。この本はどの時代になっても読み続けられる本になってほしい。そんな思いにさせられる一冊です。

よしいさんの評価:

この本は私がまだ小説をあまり読んだことがなかった頃、図書館で借りた本でした。時代小説だということで、頭があまりよくない私にとっては少し難しい本なのでは・・・と思いましたが、本屋大賞をとった本だし、きっと面白いのだろうと思い、思い切って借りてみました。

結果、面白かったです。時代小説といっても斬った斬られたの世界ではなく、主人公の渋川春海が日本独自の暦を作る物語です。重々しいような感じはあまり感じず、むしろ爽快感のある読み口になっています。まだ活字に慣れていなかった私にも読みやすく、キャラクターも立っていてとても魅力的ですし、早く続きが読みたい、と思うほどワクワクしながら最後まで飽きずに楽しく読ませていただきました。

算術、囲碁、暦などが物語の中に出てきますが、これらに関しての知識がなくても大丈夫です。知識がさっぱりの私でも楽しかったです。

小説をあまり読んだとこがない、という方にも「試しに読んでみて!」とおすすめできる一冊です。

イックさんの評価:

この天地明察は江戸時代に実在した天文暦学者の渋川春海の一生を描いた作品でまさに秀逸とも言える作品でした。時代モノのジャンルは正直あまり面白くない、時代背景を理解していないので分かりにくいとこれまで思っていたのですがこの作品で認識が変わりました。

 この天地明察は映画化された話題作で興味を持ち読んでみようと思ったのですが、本当にグイグイ物語に引き込まれるような感じがしました。

 どちらかというと淡々とした地味な作品ですが、暦を作るという偉業を成し遂げた渋川春海という人物が本当に粘り強く、根気よく20年にも渡り数々の挫折をした後に日本独自の暦を作り上げたのです。スゴイ人だと私は思いました、今から150年くらい前に空を見上げて暦学や数学、天文学の知識を元にそんな事が出来る人間が一体どのくらい存在するのでしょうか。

 ラストは読んでいる側の私まで心が打ち震えるような気持ちになりました。やっと本当にやっと辿りついたんだという気持ちになりました。 読んだ後スッキリした気持ちになれる素晴らしい本だと思います。

武骨堂さんの評価:

 書店で本を手に取り、物語のはじめの一文を読んだだけで「あ、これは面白い」と確信する作品がごくたまにあります。

 私にとってこの作品がまさにそれで、序章から一気に引き込まれ、一日で読破しました。

 著者がライトノベル出身の作家のためか、時代小説特有の堅苦しさがなく、主人公をはじめとする実在した人物たちのキャラクターが生きいきと描かれており、算術や暦、歴史にくわしくなくとも十分に楽しめる作品です。

 囲碁棋士としてのお勤めの傍ら、道楽で算術や天文観測を行っていた主人公の渋川春海は『算額絵馬』のうわさを聞き、訪れた神社で算術の天才・関 孝和の名を知りる。

 御城碁に疑問を感じ、真剣勝負を渇望していた春海は関 孝和との算術勝負を渇望するようになります。

 時を同じくして持ち込まれた暦作りのお勤め。

 職業選択の自由のなかった江戸時代において、数奇な運命に導かれ、天を明らかにすることに生涯を捧げた男の物語。

 星に興味がなくとも読み終わった後、星空を見上げたくなります。

あるてみすさんの評価:

天地明察は江戸時代の天文学者、渋川春海の描いた時代小説です。

それまで中国から輸入した暦を使用し続けていた日本では、月食や日食の予測が外れる事態が発生していて暦を改めるニーズが発生しています。そこで渋川春海が日本の実情に合わせた暦、つまりカレンダーの作成に取りかかり、失敗を経ながら成功するまでがこの作品内で描かれています。

改暦のための天文測量の技術やその当時の数学である和算についての説明など、この作品を読むことで江戸時代の天文学や数学が、かなり進歩していたことを知ることができます。

またその当時、暦について制定する権限は幕府ではなく朝廷にあり、そのため渋川春海は幕府と朝廷双方の許可を得た上で改暦を果たすことになるのですが、この作品では、そのようなややこしい江戸時代の権力構造についても知ることが出来て、とても参考になります。

また渋川春海は改暦に対しての功績が認められることにより、姓が改められ、帯剣がゆるされて武士の仲間入りをすることになるのですが、能力ある人物が武士として取り立てられていくという江戸時代特有の時代背景についても丁寧に描かれているため、勉強になる作品です。

作者の冲方丁氏は、もともとライトノベルの執筆からデビューしており、この作品の語り口は非常に柔らかく、さくさく読み進めることができます。

登場人物の女性キャラがあまりにも現代風な口調で語っている点など、違和感を感じる部分もありますが、時代小説にありがちな古くささが一切無いため、若い人も十分に楽しめる作品となっています。

回転すしさんの評価:

冲方丁さんの小説を初めて読んだのは、SF物のマルドゥック・スクランブルが初めてです。

ストーリー展開の激しさなどが面白かったのを覚えていますが、打って変わって本作の方は江戸時代を舞台にした歴史小説。

著者のレンジの広さを感じますね。

さて、ストーリーの方ですが、あらすじをご紹介すると、江戸時代の数学者が神社に奉納していた算額を題材に、これを通して数学者同士の腕試しをしている様や、それが縁の恋愛模様など、色々と楽しませてもらえる内容となっています。

そして、ただ楽しいだけでなく、江戸時代における日本の数学界がどの様な物であったのかを読者に紹介してくれる、タメになる所も有りました。

数学と聞けば、その場から全速力で逃げ出したくなる方も多いこの世の中ですから、江戸時代ところか、現在の数学者の実情についても世間で知られているとは言えません。

なので、この点において意外に実用性があると言えるのではないでしょうか。

最も、本作は教育小説などではありません。

純粋に娯楽小説ですので、読んでいて主人公の恋愛模様や自分より優れた人間に勇気を振り絞って挑む姿に大いに共感する事が多いのではないでしょうか。

楽しかったですよ。

りすさんさんの評価:

読んでいる時も、読み終わった時も、とてもすっきりとした気持ちになれる本でした。

「明察」というのは正解という意味で、安井算哲(のちに渋川春海)という
江戸時代に実在した主人公が、日本にぴったりと合う正しい暦を完成させるまでの話です。

水戸光圀、保科正之などの歴史上有名な人物が多く登場し、歴史好きの人にももちろんおすすめですが、
テーマは主人公が長い間、失敗を重ねながらも一つのことを成し遂げるという話で
時代背景が分からなくても大丈夫だし、そんなに難しくないので、歴史小説はあまり好きではない、
という人も楽しめると思います。

主人公が失敗を乗り越えて成長する話という話はよくありますが、
この安井算哲という人はもともとの職業は囲碁を打つ人で、その分野では成功していて、
それに加えて算術や天文学に関する天才的な才能を持っていて、そんな人が、大きな目的を完成させるまでにこんなにも苦しんだのか、というのが
読んでいて主人公を応援したくなる気持ちにさせました。

ぐらんさんの評価:

碁打ちの一族に生まれた男が、算額勝負を経て成長し、改暦のために尽力するお話です。

武士が主人公になることの多い時代物で、主人公の春海は碁打ちの一族、しかも全体のテーマは改暦とかなり異色です。自分の知らないテーマは純粋に興味深く、新鮮に読めました。脚色なのだろうけれどクセの強いキャラクターたちも面白いです。

そして算額勝負がかっこよかったです。数学は苦手ですが、知的遊戯に人生をかける面白さが存分に出ていました。ある意味読者に知力を要求する物語です。その点さくっと読める時代小説とは一線を画しています。

難点としては面白くなるのが若干遅く、物語の前半部分は読むのがかったるいときもありました。終盤の怒涛の展開で帳尻を合わせてくれましたが。一人の男の人生を書く、というコンセプトだと長くなるのは仕方ないのかもしれません。

時代ものにあまり関心がなかった私でも楽しめたので、万人向けだと思います。ちょっと変わった時代小説を読みたい人におすすめです。

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