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家守綺譚

家守綺譚

家守綺譚

梨木香歩

2005年度本屋大賞部門
第3位

クチコミ( 3

たとえばたとえば。サルスベリの木に惚れられたり。床の間の掛軸から亡友の訪問を受けたり。飼い犬は河瞳と懇意になったり。白木蓮がタツノオトシゴを孕んだり。庭のはずれにマリア様がお出ましになったり。散りぎわの桜が暇乞いに来たり。と、いった次第の本書は、四季おりおりの天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。

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「家守綺譚」 の評価/クチコミ

ふちさんの評価:

タイトルからホラー要素があるのではと期待して読んだところ、いい意味で裏切られそれから愛読している本です。

梨木香歩さんの作品が好きでほぼ読破しているのですが、こちらの家守奇譚は中でも好きな作品です。

この作品の魅力の一つは出てくる食べ物がすべておいしそうなところです。隣のおかみさんが持ってきてくれるごはんが何とも食欲をそそるのです。

また、不思議なことと日常が混在し、そこで人間とそうでないものが普通に暮らしている世界が普通に描かれているということにも魅力を感じます。主人公綿貫が不思議画ったり奇妙に思っていることを周りの人は至極真面目な顔で当たり前のことだという世界。しかし、それをすぐに受け止められる綿貫はやはりその世界の住人なのだなと思います。

この作品に流れる空気はとても暖かく、また、穏やかなので、休日ゆっくりしながら読むのには最適です。綿貫の生活は決して裕福ではないし、便利なこともないのですが、一度はこんな生活をしてみたいと思わせてくれる作品です。

睡蓮さんの評価:

梨木香歩さんは一番好きな作家さんですが、中でも1位か2位?!くらいに大好きな作品です。

本には記されていませんが、時代背景は明治から昭和初期?くらい。文章もかなり古風で、その頃の作品を読んでいるような錯覚に陥ります。主人公がある事から住むことになった家と、その主人公にまつわる人やいろいろな者(物?)のお話です。ちょっとした事件や出来事が次々と起こり、まだ若い主人公はその都度、頭を抱えたり、何かしら悩んだりするのですが、その他登場人物も含め、どこかユーモラスで、あっけらかんと呆けた空気が漂っていて、読んでいてクスクス笑ってしまいます。かと思えば、心が温まったり、深く考えさせられたり、鼻頭が熱くなったり…いろいろな気持ちにさせてくれます。まるで、ひとりの人の人生が詰まっている様。本としては、そんな量でもないのですが、一行一行、とにかく深いです。何度でも読みたい!と思う作品です。死ぬまでに、あと50回くらいは読むと思います。

うつうつさんの評価:

今迄どちらかと言えば西洋的な話が多かった梨木香歩さんにとってはなにやら今までとは雰囲気の違う話だなぁというのが一番の思いでした。しかし、やはり中身は「梨木ワールド全開」でした。

 不慮の死を遂げた友の関係で古い家に住むようになった主人公の前に現れるカッパや気持ちを伝えようとするサルスベリの木、そして掛け軸の中に書かれた船に乗って出てくる友・・・。

一見「怪談」のようにも思える話ではありますが、その柿ぶりや雰囲気作りのうまさからなのか、全ての事が何か日常の当たり前の事の一部分のように思えて仕方がなく、すこしも不思議さを感じることなく「へぇそんなこともあるのか」というくらいで本当に「梨木ワールド」の世界に浸って、話を楽しむことができました。

 この話の中で出てくる、主人公に気を寄せる「サルスベリの木」というのがとても気に入ってしまい、自分の庭にもサルスベリを植えてしまいました。残念ながら疎水とつながったような池はなく、かっぱがさらをみせるようなことはうちでは不可能です。でも、何度もこの話を読んでいるうちに「そのうちこんな風なところに住んで、こんな雰囲気の中で暮らしてみたい」と真剣に思うようになってしまいました。

 さいきん続編の「冬虫夏草」という本が出ています。まだ読んではいませんが、磨読んでしまうとまた、「うちの庭を何とかしたい」「こんな雰囲気の中で暮らしてみたい」という欲求が高まるのだろうなぁと、期待しています。

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