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明日の記憶

明日の記憶

明日の記憶

荻原浩

2005年度本屋大賞部門
第2位

クチコミ( 2

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう!山本周五郎賞受賞の感動長編。

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「明日の記憶」 の評価/クチコミ

鉄さんの評価:

荻原浩の小説は何冊か読んでいるが、その中でも

人間を描くということに関して秀逸な物語でした。

主人公は、普通の生活を過ごしていて、少しずつ仕事をしている

とミスが多くなってきたり、影響が出てきます。

会社内での信頼性を失ったり、ミスに関して悩んでいく描写は

社会人として働いていると共感できるところが多く、

とてもリアリティを感じ、物語の中にどんどんと

引き込まれて行きます。

若年性アルツハイマー病という病気はよく耳にしたことは

ありますが、どんな病気で、何が怖いのか漠然としていま

したが、本作品は、それを教えてくれます。

もし自分が若年性アルツハイマー病になったとしたら、

会社や周囲はどういう風に受け入れてくれるのか、

不安になる部分を多く感じました。

親も高齢になってきていて、病気と老いの違いに

気づくことが出来るのかな~、とも考えてしまいます。

若年性アルツハイマー病と宣告される怖さや、

それをどういう風に受け入れ、生きていくか。

我々に生き方を教えてくれますし、愛情の美しさを

教えられ、涙が自然と流れてきました。

優しい気持ちになれる、とても良い作品でした。

うつうつさんの評価:

 働き盛りの男性が「アルツハイマー」になっていく、それも、自分のやっていることを忘れてしまう事がどんどん増えていく事をじぶんで経験していくという事は、本当に自分にとって「恐怖」以外の何物でもないと思いました。私も体調関係で「早期退職」を経験しました。その時「今まで何の問題もなく働け、楽しい仕事仲間もいたし、何より自分できちんと収入を得る事が出来ていた。そんな生活がすべてなくなってしまう」という事はすごいショックであり、自分に対する自信や生きがいのようなものすべてが無くなってしまう恐怖感がありました。

 この小説の中でも「なんとか仕事関係の用事を忘れない様にとメモを取り付ながらも何とか努力し続ける主人公」が描かれています。しかしそれでも病気が進行しくという理不尽さや主人公の悲しみがずんずんと伝わってくる感じが忘れられませんでした。

 家族の助けや励ましがありながらも、やはりそれ以上に「自分で何とかしたい」と思う気持ちと、そんなことを何も感化が得ずに進行していく病気、いずれ全てを忘れてしまうかもしれないという恐怖を何とかしようとする主人公が、たまらなく悲しく思えました。

 そして最後のページの最後の場面の主人公の言葉に思わず涙がこぼれそうになりました。

奥さんと共に今までとはまた違った新しい人生が少しでも過ごせていければいいのになぁとむ真剣にこの何も書かれていない話の先を想像せずにはおれないような衝撃的であり、哀しく、そして希望を本当に望みたくなるエンディングの作品でした。

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