本屋大賞.com

全レビュー・口コミ件数:341件

本屋大賞に特化した書籍(本・小説)の口コミ・レビュー・ランキング【非公認】ファンサイトです。歴代の本屋大賞受賞書籍や、著者の関連書籍をデータベース化しています。各種ランキング機能により、読者から実際に評価の高い書籍や、おすすめの書籍を簡単に見つけることが出来ます。

昨夜のカレー、明日のパン

昨夜のカレー、明日のパン

昨夜のカレー、明日のパン

木皿泉

2014年度本屋大賞部門
第2位

クチコミ( 5

悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。

クチコミを書く

「昨夜のカレー、明日のパン」 の評価/クチコミ

やまもんさんの評価:

冒頭、「ムムム」というあだ名をつけてたり、なんとなく文章が不思議系で苦手かなぁと思ったけど、そんなこともなく、さらさら読みつつ、デロデロ泣けました。

笑って泣けて、すごく心があたたまります。

ほっこりするというのでしょうか。

「ほっこり」という言葉が好きな人が好きそうなお話たちです。

てつこさん、ギフ、タカラちゃん、虎男君、師匠などなど、出てくる登場人物が、みんなあたたかくて、よいのです!

「パワースポット」と「山ガール」が特に心に響きました。

山に登りたいなんて、今まで思ったことはなかったけど、ちょっと登ってみたくなりました。

そして、ちょっと怖いけど、山でヒールを飲んでみたいです。

また、「トーストにバターと海苔の佃煮を塗る」とあったのですが、私もこれが好きなので、親近感がわきました。

仕事に行きたくないとき、なんかあたたかみを感じたい時など、何度も読み直したくなるお話たちです。

ちなみに、ドラマ化されるので、楽しみにしていたのですが、俳優さんたちがイメージと違って、見ませんでした。

醤油さんの評価:

木皿泉という夫婦による作家性が炸裂した小説だと思います。長編小説に初挑戦したと聞いた時には驚きました。それほどよく作られていて男女間での価値観の違いによる面白味を感じられる小説です。

有名なドラマの脚本家であった作家なのでテーマとしては重い物扱っているのですが、微かに温もりを感じさせつつも全体としては淡々と進んでいきます。しかし、ながら選び抜かれたであろう「コトバ」はしっかり残っていくという起伏に富んだものです。

物語は若くして夫を亡くしてしまったテツコとその義父であるギフを中心に描かれていて、ストレスで笑えなくなったムムムなどがフックになって展開していきます。現代における家族というものの在り方を過去と照らし合わせながら木皿泉独自の視点で捉えていました。

このレビューもワードだけなぞると重く固い物のように感じますが、決してそんな事は無く、幅広い年齢層を対象にした小説だと思います。恐らく大人と子供でも感じるものが違うと思うので、家族などで読むとまた新しい家族像を浮かび上がらせる事が出来るであろう作品です。

pinoさんの評価:

大切な人を亡くしても明るく、前向きに生きていくテツコやギフ、その周りの人たちのほっこりとした温かい日常を描いた短編集です。

短編集なのですが、ひとつひとつの物語につながりがあり、読み進めていると、あの章に出てきたあの人が、この人なんだと気づき、伏線が回収されていく感じが楽しく、読んでいてとても気持ちがよかったので最後まで飽きずに一気に読んでしまいました。

“大切な人の死”というのがこの本の根底にあるテーマですが、その中には生きてゆくことのおかしみだったり、何気ないようなセリフの中にはせつなくてたまらない感情が詰まっていたり、笑える話もあれば、切なくて涙がこぼれてくることもありました。

テツコとギフの会話の中で「人って言葉が欲しい時あるだろう?」というフレーズが出てくるのですが、その“言葉”がこの本の中にはたくさん詰まっています。

ずっと大切に手元に置いておき、何度も何度も繰り返し読みたい、私にとってそんな一冊です。

森野夜さんの評価:

 木皿泉さんの書くドラマが好きで、思わず手に取ってしまった本です。木皿泉さんはドラマではさまざまな名言が飛び出て、特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々とした中で起こる小さな事件をクローズアップして物語が進む事が多く、殺人事件とか、世界を変える的な大きな事が起きないのが良いと思っています。今回の主人公は早くに夫に先立たれて、その夫の父と暮らす(義父)中で、お互いがお互いを思いながら生きている、そんな柔らかく、温かいお話です。具体的な内容は書きませんが、主人公が忘れられなくて悪いかとか、普段は世間的には、そろそろ新しい相手とか、読み手の一般的な考えがあることを見越したセリフにどっきりします。ひきこもりキャラまで出るのですが、否定することなく、理由があってそうなんだよって、温かく見守る姿勢があり、それは筆者の考えでもあり、一概にひきもってしまった事はマイナスで見てしまうけど、本当はとか、義父と暮らす主人公にも、そういって思いがあって、その本当はねっていうところをゆっくりと感じながら読み進める事が出来て、読み終わった後に、いいお話だったと思うところが、木皿泉さんらしくて良かったりします。ちょっとしたシーン出るパン屋さんが実は義父と通ったお店だったりとか、私達の日常でもそうで、誰かにとってはなんでもないけど、誰かにとっては大事な思い出だったりする。ゆっくりと優しい物語でおすすめです。

asa.comさんの評価:

たった一つの関係、たくさんの関係、たった一つの関係、読み進めるうちに想いが深まる一冊。未亡人のテツコ。亡夫の父「ギフ」と二人、古い家に住み続ける。 ギフとテツコ、テツコの恋人の岩井。夫の元同級生やいとこ。ギフの妻。連作短編です。

ギフとテツコは血のつながりがないけど、だからこそ?亡くなった夫を通じて家族でいる。さりげない思いやりとほどよい距離を保っている。気持ちは普段は伝えることはないけれど、何かあれば静かに寄り添って お互いを支えようとする。

同じ毎日の繰り返しに思えるけど、いろんな出来事を乗り越え、小さな感動が積み重なり、なんだか分からないけど、心が温まっていく。同じ毎日を変えたくない。大切な関係を壊したくない。

でも、人は道を歩んでいかなければならない。そんな物語でした。

作者は脚本家ということですが、ちょっとした言葉が大切に描かれていてぐっとくる。言葉の力。それはきっと温かな思いやりから生まれているから。

昨夜のカレー、明日のパン。最後にそうきたか! 涙が出ちゃうよう~。

閉じる

コメントを投稿する

※投稿されたコメントは管理者のチェック後、サイト上に反映されます。内容に依り削除・編集させて頂く場合が御座います。

送信する

2014年度本屋大賞部門の他の書籍

2014年度本屋大賞部門ランキングを見る >

受賞年度別

著者別