本屋大賞.com

全レビュー・口コミ件数:341件

本屋大賞に特化した書籍(本・小説)の口コミ・レビュー・ランキング【非公認】ファンサイトです。歴代の本屋大賞受賞書籍や、著者の関連書籍をデータベース化しています。各種ランキング機能により、読者から実際に評価の高い書籍や、おすすめの書籍を簡単に見つけることが出来ます。

沈黙の町で

沈黙の町で

沈黙の町で

奥田英朗

2014年度

クチコミ( 2

中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。屋上には五人の足跡が残されていた。事故か?自殺か?それとも…。やがて祐一がいじめを受けていたことが明らかになり、同級生二人が逮捕、二人が補導される。閑静な地方都市で起きた一人の中学生の死をめぐり、静かな波紋がひろがっていく。被害者家族や加害者とされる少年とその親、学校、警察などさまざまな視点から描き出される傑作長篇サスペンス。

クチコミを書く

「沈黙の町で」 の評価/クチコミ

ゆずさんの評価:

とある中学校で起こった生徒の転落死。そこから露呈してくるイジメ問題と保護者や教師の苦悩…。近年頻繁にTVから聞こえてくる内容ではありますが、物語はそこから更に深まっていきます。

どこからがイジメで、誰が加害者で、何が原因なのか。友達だからこそ起こる悲劇もあれば、イジメ加害者の親だからこそ逃げ出したい現実もある。読み進めていると、この物語の閉塞感に息が詰まって仕方がなかったです。

読み始めは確かにイジメとその加害者に対する嫌悪感で一杯だったはずなのに、いつの間にか加害者側にも同情している自分がいました。「私だったらこの状況どうしただろう?」「私がもし被害者の友達だったら」「もし加害者の親だったら」「教師だったら、事が起こる前に何かをしてあげることが出来ただろうか?」考えても考えても答えが出ない、非常に難しく悲しい問題であると感じました。

勿論これは物語ですが、日本のどこかで今現在登場人物と同じ悩みを抱えている人がきっといると断言できるくらい、現実的な問題提起がされています。

娯楽要素もないし、後味も決して良くはありません。

それでも一度読んでおいて損はない小説です。

特にお子さんをお持ちの方、教職の方には一つの最悪な未来予想図として、根深いイジメ問題の予防と対策に役立てることができるのではないかと思います。

グルヌイユさんの評価:

男子中学生が、学校の部室棟の屋根から転落死しているのが発見される。

亡くなった名倉は、4人のテニス部の生徒に、いじめを受けていたことが判明。

果たして、事故か自殺か。

でも、読んでる限りでは、それほどひどいいじめを受けている印象はない。よくある男子の悪ふざけだ。

いじめられる方も、仲間として扱ってもらいたがっているフシがある。

たぶん、現実でもこのあたりが一番難しいところ、なんだと思う。やっている方は、単なるじゃれ合い、それほどの悪意はない。死ねばいい、なんて思っていない。ただ、本人も気づかぬうちに、日々エスカレートしていく。

よく言うように、いじめられる方にももちろん原因はある。死んだ名倉は天使じゃない。読んでる限り、お友達にはなりたくないし、はっきりいって嫌われ者だ。甘やかされたお金持ちの坊ちゃんで、新しいテニスウェアだの、ラケットだのをひけらかす。まるでいじめられたがっているとしか思えない。

こういうのって、多かれ少なかれどこにでもある。なので、読んでいていろいろ思い当たるフシがある。こういう子いたな、こうことって昔あったな。そのあたりの具合がすごく巧い、と思う。

実際はどうだったか、ということよりも、親や当事者のそれぞれの心情が、すごく興味深かった。

閉じる

コメントを投稿する

※投稿されたコメントは管理者のチェック後、サイト上に反映されます。内容に依り削除・編集させて頂く場合が御座います。

送信する

奥田英朗 の他の書籍

奥田英朗の作品をもっと見る >

2014年度本屋大賞部門の他の書籍

2014年度本屋大賞部門ランキングを見る >

受賞年度別

著者別