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終戦のローレライ

終戦のローレライ 上

終戦のローレライ

福井晴敏

2004年度本屋大賞部門
第8位

クチコミ( 4

昭和二十年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。第22回吉川英治文学新人賞受賞。

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「終戦のローレライ」 の評価/クチコミ

宗太郎さんの評価:

精緻な人物描写と圧倒的な構成力で、作家としての質の高さを示した前作『亡国のイージス』。

数々の文学賞を総なめにし、今後の活躍を祈りながらも、この作品を手に取るまでは一抹の不安があった。

しかし、冒頭の数ページを読んだだけで、中年オヤジの杞憂が全く無駄であることが分かった。

著者のこの分野に対する研究熱心さは衰えを知らず、文字を使用した自己表現には尚一層の磨きがかかった。綿密な時代考証や緻密な伏線の張り方など、著者のミステリー作家としての資質の高さは当代随一といえるのではなかろか。

ただ、敢えて難点を挙げさせて頂けるとすれば、登場人物が二十歳前後の若者ばかりで、私のような年代の読者が読むとついていけない箇所も散見された。あと、あまりにも描写が詳細すぎて、小説を読む醍醐味である展開や感情を行間から読み取ることを難しくしていたとは言えないだろうか。

だが、上下1000ページを越える超大作を一定の水準以上で書き上げた著者の情熱には脱帽せざるを得ない。

イックさんの評価:

 戦争モノというと百田尚樹さんの「永遠の0」ばかりが売れて映画化もされましたが、私は福井晴敏さんの作品「終戦のローレライ」の方がオススメしたいです。どちらの作品も読みましたしいい作品だと思うのですが、私は福井さんの作品の方が好きだし戦争に対する捕らえ方とか考え方が深いなって思うのです。勿論好みの問題もありますが、それでもこの作品はもっと評価されていいと永遠の0のブームを横目に思ったものです。

 物語は太平洋戦争の終戦間際を描いていて、既にこの時代は勝つことではなく日本に「あるべき終戦の形」をもたらす為だけに戦っているといっても過言ではないのです。作戦を画策する浅倉大佐と、その令で困難な任務を行うことになった潜水艦、伊507とその搭乗員を描いています。

 この作品は派手なシーンは少なくてどちらかというと淡々と描いているといったイメージを受けます。特に素晴らしいのが主人公の折笠 征人で17歳の少年です。この時代は10代のまだ子供といってもいい世代が戦力として戦っていたのです。彼の反発や葛藤、そして迷いは時代や境遇を超えて共感できるものだと思います。最後の方は手に汗を握るというか祈るような気持ちで物語を読んでいました。

けいごさんの評価:

戦争ものとして見ると物足りない、冒険譚として読むと面白い。全体的なストーリー展開や時代背景も整っていて読み物として単純に楽しめるものです。歴史物としてみると「だけどね。」と言いたくなってしまう所もありますが、全体を通して作者個人の感情をここまで表現しつつ様々なものを取り込みここまでにまとめ上げて、人間性を表現できた素晴らしい出来だと思います。展開としてはやはりエンターテイメントだなと感じます。この話のテーマとしては人だと思います。主義主張をどれだけ押し通せるか、そこから生まれるそれぞれの矛盾や問題。それらをぶち破りお互いを理解するのは心、最後は人って大事なんだなと思わせる作品だと思います。気持ちが熱くなれる場面も多いですし、感動させるところも多いです。重いテーマかと思いきや人生とは何だろうか、時代は違えど感じる思いは同じフィクション作品ではありますが、当時の人たちの触れられる良い機会となりました。ボリュームも多くアニメ作品を見るような感覚で読むと最後まで読み切れると思いました。

回転すしさんの評価:

この終戦のローレライですが、私がこの小説の事を知ったのはこれが映画化されるとのニュースに接したのが切っ掛けです。

映画が公開される前から書店に行くと、この小説の文庫版が平積みにされてたくさん売られているのをよく見かけていました。

実は私は同じ著者の「亡国のイージス」と言う小説を読んだ事が有り、それ以降、この著者のファンだったのでこの終戦のローレライの事も読んでみたのです。

この小説、第2次世界大戦終戦間際の帝国海軍の潜水艦を舞台にした物で、その設定から歴史SFとでも称すべきストーリーです。

率直に言って特に読んでいて感動するような話はなかったのですが、しかしストーリーがどの様に展開していくのかが気になってしまって仕方がない状況にはなってしまいました。

はい、要はハマってしまったという訳です。

なので、この終戦のローレライの事は類まれな娯楽小説の中の一冊であると自信を持って断言できます。

色々と歴史問題に直面している昨今の日本ですが、あえて歴史SFを楽しむというのも良いのかも知れませんよ。

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