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全レビュー・口コミ件数:341件

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陰摩羅鬼の瑕

陰摩羅鬼の瑕

陰摩羅鬼の瑕

京極夏彦

2004年度本屋大賞部門
第9位

クチコミ( 7

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允とはいかなる人物か?一方、京極堂も、呪われた由良家のことを、元刑事・伊庭から耳にする。シリーズ第八弾。

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「陰摩羅鬼の瑕」 の評価/クチコミ

幸太郎さんの評価:

ゴールデンウイークの暇潰しに書き上げたという『姑獲夏の夏』以来のファンです。『魍魎の匣』で金字塔を打ち立て後も、次々に話題作を発表し続ける著者の衰えぬ創作意欲には、改めて脱帽せざるを得ない。

そして、白樺湖畔に聳える瀟洒な洋館を舞台とした妖怪シリーズ第11弾として発表されたのが、本作品である。

相変わらずの傍若無人ぶりを発揮する探偵・榎木津礼二郎と陰鬱な小説家・関口巽のコンビ?)は、上記のデビュー作を彷彿とさせるどころか、この作品に不可欠の重要なキャラクターに成長を遂げているといえよう。特に飽き飽きするほどの執拗な人物描写には、「これぞ京極夏彦!」と言わしめるだけの厭らしさが備わっている。いい意味でも悪い意味でも、本当にブレない作家の一人だと断言できる。

ただ、今作品に関して苦言を述べさせて頂けるなら、トリックが分かり易く、途中で投げ出しそうになった感は否めない。元警部補・伊庭を再登場させ、林羅山に纏わる京極堂と大学院生・柴の会話も面白かっただけに、少し残念な気がした。

conaさんの評価:

京極堂シリーズの第8弾。1冊目から読み続けているのでいつものことですが、手に取った瞬間に相変わらずのボリュームに圧倒されます。読む前から読み応えを感じられるのはこのシリーズだけかもしれません。

なぜか花嫁に迎えた女性が次々と死んでいく、とある伯爵家の謎に迫るというストーリー。

普通に考えて、この伯爵が怪しいんじゃないかと思いつつ読み進めたいたのですが、この伯爵が好人物すぎてとても犯人とは思えない。花嫁への深い愛情、亡くしたときの絶望、どれも本物なのです。読んでいて胸が痛いくらい。

では犯人は誰なのか?いやいっそ事故なのか?事故にしては続きすぎじゃないか?この膨大なボリュームの作品を、(体感では)あっという間に読み終わりました。

結局、認識の違いというものなのでしょうか。同じものを見ているはずなのに、同じではない、という共通認識の違いは、日常生活でもよくあることです。自分にとっての常識は、他人にとって常識とは限らないものです。が、それがこんなに切ない事件になるとは…。

辛く、悲しい結末でした。

愛すべきキャラクターたちの魅力的個性的さはもちろん見所、綺麗にオチをつけて収束しているところはさすがとしか言いようがありません。

citrusさんの評価:

有名な百鬼夜行シリーズの第8弾となる作品です。これまでの京極本と同じく、いつも通りの薀蓄・知識の垂れ流しが詰まっています。これぞ京極夏彦の醍醐味かと思いますが、これをすべて理解することができる人はどれくらいいるのでしょうか。理解できない漢字が続いたりすると、読み進めるのがつらく感じてしまいますね。そういう時は思い切って流し読みをするのですが、そうすると物語の本質を掴むことができなくなりそうで、折角の読書を楽しめなくなるのではないかと不安に感じます。

実際の事件の真相は賛否わかれるかと思いますが、自分は気に入っていますね。京極作品ならば、このあたりの真相は予想範囲。ある意味犯人である人も被害者なのではないかと思います。舞台となる御屋敷にはたくさんの鳥の剥製が飾られているのですが、剥製というのは要するに死体なんですね。その中で繰り返される悲劇。とても絵になるんじゃないかなと思います。でもこの作品の映像化はトリック的な意味で無理だろうな。

ふるるさんの評価:

京極夏彦先生の京極シリーズ短編集を除けば8作目の本です。今回は榎木津礼二郎と関口巽コンビが事件の真相に迫るとゆう話ですが、京極シリーズを読んだ方は大体おかしなことになるはたは例のごとく無茶苦茶にするだろうと思いますますよね。そのとりおり、榎木津礼二郎この男が絡んで物語の展開がまともに動くわけはなく、今回中禅寺秋彦は後半まででて来ませんなので礼二郎の独断場だから彼の破天荒な捜査のオンパレードです、それに付き合わされる関口巽、彼の不運には同情するより読んでて楽しいですある意味ギャグアニメですからね。京極シリーズの本は分厚く一見とっつきにくいかもしれませんが各本1000ページのものが多いですからね、しかし、このシリーズははまる人には嵌るでしょう出てくる人物は個性的な人が多いですからね。さて、今回起こるこの不思議な事件は二人の手でどこに向かうやら密室殺人その手口にどんな仕掛けがあるのか。引き込む面白さは相変わらずです。

じょえたすさんの評価:

人気作品の8作目なのだが、8作目とは思えないほど新鮮なテーマだった。

登場人物もいつもの顔ぶれなのだが、この作品は、僕の大好きな榎木津探偵と小説家関口の二人が中心となって展開するという意味でも楽しめた。

当作品でメインの話題となるのは儒学と、事象の認識の差。

推理小説仕立てで話題にするテーマの意外性に、この作品のシリーズでは散々驚かされているが、今回もしっかりと驚きつつ読むことが出来た。

また、個人的に「姑獲鳥の夏」以来、ここまでしっかり小説家関口が活躍する作品はなかったように思う。

「姑獲鳥の夏」の頃の陰鬱とした雰囲気から、少しだけ成長のようなものを感じ取る事が出来るという意味でも、僕にとっては嬉しい作品だった。

作品の文字数が多い事でも有名なこのシリーズだが、展開の回りくどさに閉口するのはほんの最初だけで、読み進めるうちに全て設定背景として必要なものだと理解出来るようになるだろう。

そうして、回りくどさに耐えて理解が追いついてくると、普段なら全く馴染みのないテーマにも関わらず、ある程度の理解を持って読めるようになるのも、この作品の醍醐味だと思う。

イックさんの評価:

 私は京極夏彦さんの京極堂シリーズは全て読んでいます。シリーズ第一弾の姑獲鳥の夏からどんどん物理的に分厚くなるシリーズはまさに読み応えがあり、そしてホラー的要素を含む独特な世界観が堪らなく好きで、辞書かと思うあの重みさえもファンからしたら嬉しいものです。

 陰摩羅鬼の瑕はシリーズ11冊目の作品で、ストーリーは過去何度も花嫁を初夜の晩に殺され男が5度目の結婚をするというので花嫁を守る為に雇われた傍若無人な探偵の榎木津礼二郎と鬱病持ちの小説家の関口巽がその館を訪れます。

 このシリーズは読んだだけでなんだか膨大な知識を得たような気になれるので少し賢くなった気分です。まあ日常では使用しない知識ばかりだったりします。そしてこの物語は特に哀惜が強かったように思います。あと関口さんが少々不安定な部分が大きくなり少々心配になってしまいます。

 最後は京極堂により定番の憑き物を落しで締めくくりますが、今回の犯人やトリックが分かりやすかったように思います。そこは少々物足りないかなと思うのですが、シリーズものゆえのキャラクターの魅力と安定感があるといえます。

みかさんの評価:

京極夏彦の人気シリーズ第8弾、陰摩羅鬼の瑕です。舞台は長野、白樺湖畔に佇む由良邸は、鳥の剥製に囲まれた鳥の館と呼ばれていました。その主である由良伯爵はこれまで四度も自分の花嫁の命を奪われており、次の五人目の花嫁の命こそは守りたいと、東京の探偵榎木津礼二郎に花嫁の護衛を依頼します。そしてお馴染み、小説家の関口巽と共に由良邸まで向かいますが、そこで関口は伯爵と同じ小説家として言葉を交わしていくうちに、伯爵の奇妙な世界を知ることになります。

今回の話では、探偵・榎木津の「人の記憶が見えてしまう」能力が発揮されず、作中の人物たちはただ起こる事件に翻弄されていきます。事件自体はとてもシンプルではありますが、そこへ辿り着くまでの過程をじっくりと楽しめるのが本作です。後半、陰摩羅鬼を落としにくる陰陽師、京極堂も出番の割にはその存在感が際立っています。

本作は前作「塗仏の宴」の後日の話なので、先に前作から目を通したほうがより楽しめると思います。

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