本屋大賞.com

全レビュー・口コミ件数:341件

本屋大賞に特化した書籍(本・小説)の口コミ・レビュー・ランキング【非公認】ファンサイトです。歴代の本屋大賞受賞書籍や、著者の関連書籍をデータベース化しています。各種ランキング機能により、読者から実際に評価の高い書籍や、おすすめの書籍を簡単に見つけることが出来ます。

64

64

横山秀夫

2013年度本屋大賞部門
第2位

クチコミ( 3

警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。

クチコミを書く

「64」 の評価/クチコミ

蒼汰さんの評価:

警察小説といえば、横山秀夫の右に出る者はいないのではなかろうか。その著者が、前作から七年という長い時をかけ書き上げた長編小説が『64(ロクヨン)』である。

流石である。登場人物の属性から、彼らが取り交わす会話の一つ一つに至るまで、正に実存しているかのごときストーリー展開には驚きを禁じ得ない。加えて、緻密な心理描写でそれぞの人間関係に深みを与える手法は、横山作品の真骨頂といえると思う。

横山作品の特徴として、快刀乱麻を断つような大活躍を見せる辣腕刑事よりも、比較的地味な人間が主人公になることが多いのだが、今回もその黄金律は守られていたようだ。

昭和64年に起こった誘拐事件に、D県警の広報官である三上義信の娘が疾走した事件を上手に絡めながら、彼の目を通して最後まで描き切ってしまう著者の筆力は並大抵のものではない。

一人葛藤し、苦悩しながらも、事件の解決に向け全力を尽くす三上。その三上を信じながらも、反発してしまう広報課の職員たち。元刑事課の上司。娘を誘拐した犯人を執念で追い詰めていく父。様々な人間関係が、この作品を傑作に押し上げたエレメントといえよう。

asa.comさんの評価:

 警察小説の雄、横山氏の647ページの大作。平成に代わる直前、昭和64年の未解決少女誘拐殺人事件。D県警に伝わる符牒は「ロクヨン」。

刑事としての職を築いた三上は、現在は警務部広報室広報官。 学生時代の同期は人事を握る上司となり、一人娘のあゆみは家出行方不明。

肝は三上の所属する警務部という部署。刑事を下支えする広報といった管理業務。ここが横山氏の警察小説らしさかなと思われます。

 ストーリーの脇を固めるのは警務部と刑事部の対立の構図。記者クラブの反乱。

 刑事の面を被った警務部三上の決断は、警務部としての職責を全うすること。与えられた仕事に責任と誇りを持つ男性の維持が素敵です。

 「ここで、刑事部屋ではないこの部屋で部下を得た」しびれました!!

 そして新たな誘拐事件が発生する。後半の山場、20分のタイムラグで必死に広報戦線を守る部下に情報を伝え続ける!刑事ではなくても事件と戦うことはできる。

 刑事ではない地味な警務部の警察官にここまで男気の華を持たせるのは横山氏の本懐でしょう。さすがです。

もっくんさんの評価:

警察物を書かせたら右に出る者がいない(少なくとも私は、そう思っている)横山秀夫氏の作品である。64とは、元号の昭和64年ことである。平成へ切り替わる直前で7日間しかない。その7日の間にD県で起きた誘拐殺人事件に関わるD県警の内部を描いている。警察物といえば、刑事部の名刑事が難事件を解決するというのがほとんどであるが、64の主人公は三上義信、D県警の広報官である。

物語は、最初から伏線が次々に張られていき、横山ワールドにどっぷりと浸かっていく自分が分かった。伏線のいくつかは、置き去りもあるのかと思っていたが、最後には全ての謎が明かされていた。読みながら、自分が三上だったら、どうするのかを考えていた。同じように苦悩し行動するのか。刑事部と警務部、それと広報官という職務から報道機関の3方向からの板ばさみとなり、家族とのこともある。自分だったら、投げ出してしまうかもしれない。ともかく、登場人物が多くて、メモを取りながら読み進めた。半分を読み終わったところで、人物相関図まで作ってしまった。そのおかげで、後半は楽に読むことができた。

横山作品と言えば、臨場や顔FACE、クライマーズ・ハイなどの濃密な作品があるが、この64は、それらの作品とは一線を描いたもので警察物として秀逸である。

閉じる

コメントを投稿する

※投稿されたコメントは管理者のチェック後、サイト上に反映されます。内容に依り削除・編集させて頂く場合が御座います。

送信する

横山秀夫 の他の書籍

2013年度本屋大賞部門の他の書籍

2013年度本屋大賞部門ランキングを見る >

受賞年度別

著者別