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あるてみす

あるてみす

天地明察は江戸時代の天文学者、渋川春海の描いた時代小説です。

それまで中国から輸入した暦を使用し続けていた日本では、月食や日食の予測が外れる事態が発生していて暦を改めるニーズが発生しています。そこで渋川春海が日本の実情に合わせた暦、つまりカレンダーの作成に取りかかり、失敗を経ながら成功するまでがこの作品内で描かれています。

改暦のための天文測量の技術やその当時の数学である和算についての説明など、この作品を読むことで江戸時代の天文学や数学が、かなり進歩していたことを知ることができます。

またその当時、暦について制定する権限は幕府ではなく朝廷にあり、そのため渋川春海は幕府と朝廷双方の許可を得た上で改暦を果たすことになるのですが、この作品では、そのようなややこしい江戸時代の権力構造についても知ることが出来て、とても参考になります。

また渋川春海は改暦に対しての功績が認められることにより、姓が改められ、帯剣がゆるされて武士の仲間入りをすることになるのですが、能力ある人物が武士として取り立てられていくという江戸時代特有の時代背景についても丁寧に描かれているため、勉強になる作品です。

作者の冲方丁氏は、もともとライトノベルの執筆からデビューしており、この作品の語り口は非常に柔らかく、さくさく読み進めることができます。

登場人物の女性キャラがあまりにも現代風な口調で語っている点など、違和感を感じる部分もありますが、時代小説にありがちな古くささが一切無いため、若い人も十分に楽しめる作品となっています。

2015年1月31日

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