本屋大賞.com

全レビュー・口コミ件数:341件

うた

うた

本作品は戦国の忍者ものです。主人公である風太郎は伊賀忍者として働くことを望んでいるのですが、ある粗相?をきっかけに黒弓という忍者とともに追放された身となります。そこから京でのらりくらりと暮らし始めるのですが、あるひょうたんを手に取ったところから彼の運命が大きく左右されるという話です。

ファンタジー要素も多く取り入れられているので始まりは楽しそうな印象ではあるのですが、やはりときは戦国であるため、悲劇も多く生まれます。登場人物が一人一人濃いですし、どこかやっぱり気のいい人というのが主に書かれているため、より戦というものの悲惨さを感じてしまいました。

風太郎はすごく卑屈なんだけれども、すぐ人にだまされて、また卑屈になるという親近感の湧いてしまうキャラクターで、親近感がわく分少しイライラさせられるのも魅力の一つであると思います。また、この風太郎とともに伊賀を追い出された黒弓はマイペースで、のほほんとした印象ではあるけれども一本真が通ったしっかり者という相反する二人のやり取りが軽妙でした。かなり長い作品ではありますが、読みやすい文体で書かれているため一気読みしてしまう一冊です。

受賞年度別

著者別