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うつうつ

うつうつ

 「噛みついたりしません。よく慣らされているので拾ってくれませんか?」いう意味の謎の言葉から始まるストーリー、その初めの部分ですでに物語に引き込まれていました。

 「素性の分からない男の人を自分の部屋に引き込んだ女性」というのもよく考えれば「そんなことはないだろうという感じですが、それをスーとリートそれぞれの登場人物の思いを書き込むことによって、まったく違和感の内容にしているところが、「有川浩」という作家のすごい所だと思いました。

 その後しばらくは、「女性は今まで通りに働きに行く、拾われた男性は、あちこちの道端や川の土手に生えている雑草を使って、素敵な料理を作っていく、そして、そのうち女性の方も植物に関心を持つようになり、二人で『狩猟』と名付けてあれこれ草を取りに行って楽しい食卓にする」という場面が続きます。

 このまま終わってしまうのか、このままハッピーエンドになるのかと思っていたところに事件が起こり、話が急展開していくところが、やはり戸軸者をぐっと引き寄せているところだと思いました。

 そしてエンディング、全ての謎が解けた時にはやはり「有川浩ワールド」大全開の、ラブコメディとハッピーエンドが用意されていて、読者も思わず「ああよかった」と思わずにはいられない作品だと思いました。

 どこか代表作の「阪急電車」に似ているような気はします。しかし、読んでみるとやはりどんどんひきつけられると共に、物語の中の主人公の思いのように、電車の窓から見える線路沿いの土手の草花が気になってしまう作品でした。

2015年1月22日

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