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ぐらん

ぐらん

製鉄所を営む赤朽葉家一族。祖母、母、わたしとその女系の歴史を「わたし」の視点から語っていく話です。

現代史の流れとともに一族の歴史が語られるという点で、歴史好きな私としては非常に好みでした。知らない時代をこうして小説で垣間見るというのは面白いですね。

一番好きだったのは母・毛鞠の物語。レディースだった彼女は漫画の才能に目覚め、自分の過去を元に少女漫画の連載を始めます。「ありえねーよ」っていう展開ですが、それが気にならなくなるほどの波瀾万丈さが面白かったです。作者によると毛鞠の章は「少女漫画風」に書く予定でしたが、祖母・わたしの文章に合わせたらしいです。ぶっとんだ展開はその名残かもしれませんね。

祖母・母の章から一転「わたし」の章になるとごく普通の現代女性の話になります。「語るべき物語を持たない」と自分から述べる彼女に自分を重ねたくなるところがありました。現代っ子ってこんな感じだな、と共感してしまいます。

非常にエキサイティングな小説でした。

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