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じょえたす

じょえたす

世界感がとても好きな作品である。

絶望を感じつつも、どこかその世界に慣れだしている、あるマンションの住人達のショートストーリーだ。

世界が滅亡する、と言われてはいるものの、いつその時がくるかも本当に滅亡するかもわからない。

滅亡するという情報から、既に数年経っているので、既に一通り暴動や混乱が起きて、世界自体は荒廃してしまっている。作中で描かれるのは、その暴動の後、一通り荒れて、落ち着きだした世界なのだが、この舞台設定にはさすがだと思った。

登場人物達は世界の滅亡が来ることは重大な事、と理解してはいる。

ただ、それがいつ来るのかは、本当に来るのかわからないので、当人たちにもある種の緊迫感がなくなっているのだ。その為、物資も不足していて、危険に遭遇する事もある、殺伐とした世界にも関わらず、日常生活を見ているような穏やかな雰囲気に包まれることすらある。

それぞれ、世界の滅亡はいつか来ることとして諦めていて、それまでをどう過ごすかをルールのない世界で考えている。ただ、いつまで世界が続くかがわからないので、滅亡による緊迫感より、滅亡の情報がもたらしたルールのない日常生活の方が印象に残り、不思議と続編を期待してしまうような作品だった。

2015年2月18日

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