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とこ

とこ

もはや世界の巨匠と言っても過言ではない、村上春樹による渾身の長編物語。発売時は書店に並ぶ長蛇の列が社会現象とも伝えられました。

幼なじみの男女が一応の主人公ですが、その他の登場人物が濃い物語です。物語内の肌触り、空気感がざらりとリアルで本を読み終わったあと思わず空を見上げたら自分が「月がふたつある」世界にいるのではないかと思うほどでした。

三部に分かれた大長編でありながら、差し出された謎はあくまでも最後まで謎のまま、むしろ謎部分が膨らんでいるような気もします。

個人的には第二部までで終わってくれた方が、せつなすぎるラブストーリーとして終生心に残った気がします。しかしながら、全てのキャラクターがくっきりと印象的で、しかしとらえどころなく、言いようもなく胸に残ります。何度も読み返したくなる、著者が今まで描いたモチーフを全て込めて描いた現代のパラレルワールドの物語です。

村上春樹の本は、読む人によってまったく違う感触を味わえるのも、著者のすごいところだと思います。

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