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グルヌイユ

グルヌイユ

「最悪」っていうのは、こういうことをいうのだなとしみじみ思う。

日常の中で起こる、嫌なこと、苦しみ、ストレス。そんなものに、きゅうきゅう真綿で締め付けられるような日々。何とかして抜け出したい、でも抜け出す方法がわからない、普段信じていない神様仏様にすがるしかないような状態。

ここに登場する3人は、それぞれそんな状況に追い詰められている。

小さな工場の社長の川谷。人手不足のため、休日返上で安い仕事をコツコツこなしているが、倒産寸前。近所からは騒音がうるさいと苦情の毎日。取引先に新しい機械の導入を迫られ、断れないが資金もない。

大手銀行にコネ入社したみどり。仕事にマンネリしている普通のOL。だがある日支店長にセクハラを受け、そのことを友達に相談したことから予想外の大事に。

チンピラの和也。カツアゲなどでのらくら暮らしていたが、軽いノリでトルエン強盗をおこなったことで、ヤクザから目をつけられる。

甘い考えで、ずるずる深みにはまる3人が交わると・・・。

前半は、ああ、そっちへ行くと大変なことになっちゃうのに、という焦燥感と重苦しい暗さが続くが、3人が出会ったとたん、坂を転がるように話が進み、スラップスティックで軽妙なエンターテインメントと化す。このバランスが絶妙!奥田英朗、はずれなし!

2015年5月10日

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