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美緒

美緒

ミステリー大好き人間として、米澤さんは明らかに連城三紀彦氏の作風を偲ばせてくれます。

人間の深層心理の複雑怪奇さを、緻密な筆致と見事なまでに組み上げられたトリックで解き明かすストーリー展開は、まさに連城氏の作品を読んでいるかのごとき錯覚を与えてくれますね。

さて、今回の六つの短編作品の中でベスト3を上げるとすれば、最初の『夜警』、表題作の『満願』、そして『柘植』でしょうか。

『夜警』は、警官になるべきではなかった、ただ拳銃を使用したいがために警察官になった青年・川藤。小心者で、失敗を恐れるがあまり小手先だけで切る抜けようとして、周囲を巻き込んでしまう性格が、事件の核心部分に使われていて面白いと思いました。

続いて『満願』は、司法試験を目指していた頃、下宿していた薄倖の夫人の裁判の面倒をみることになった弁護士が知った彼女の殺人を犯した奇妙な動機は秀逸でした。

最後に『柘植』は、今回の作品群の中では異彩を放つ耽美主義的小説でしたね。両親の離婚に伴い、美男子の父親につこうとする美少女姉妹の自作自演の愛の正体には不気味さだけが漂っていて、私にはついていけない世界でした。

2016年11月29日

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