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 光圀伝はその名とおりテレビでもお馴染みの水戸光圀公の生涯を描く作品となっています。ですがこの光圀公、馴染みのおじいちゃんの若かりし頃は大層に破天荒であったというストーリーであり度肝を抜かれると思われます。この作品を書いたのは「天地明察」でもお馴染みの冲方丁であり、なんと前作の主人公である安井算哲も出てくるのです。

 さて内容のほうですがこの作品は三部に分かれており、「天・地・人」がそれぞれ少年期・青年期・老年期を描いています。おそらくは最初の天の章では光圀公の父親である頼房の豪胆さに仰天し、またその父の試練を必死に乗り越えようとする光圀の姿に大物を感じざるを得ないでしょう。続く地の章では彼の青年期の燃えるような向上心や文学に打ち込む姿などは「天地明察」のような学問に生きる人間の情熱に胸が暑くなりました。そして最後の人の章では皆よく知る黄門様も、人生を振り返る時期になってその情熱的な人間性は内側の内省へと深く静かに燃えるような人間だったという思いに静かに感動しました。とにかく重厚な物語を読みたい方にはお勧めです。

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