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タイトルにある人質たちが全員命を落としてしまうことは冒頭で明かされる。私はその部分を読んで衝撃を受けた。重大なネタバラシではないのかと驚いた。しかし、すぐに、だからこそ以下に続く人質たちの朗読が更なる意味を持つことに気づかされる。

人質たちの死に際は詳細には書かれていない。想像の余地を残すものではあるが、いささか説明不足すぎはしないかとも思える。それも、だからこそ朗読の内容が光るのだと、読後に気づかされる。

人質の中に特別な人は1人もいない。誰もが変哲のない生活を送る一般人だ。そんな彼らが死に瀕して選んだ朗読の内容も、とりとめのない日常であるように感じられるが、どこかに些細なひっかかりを感じられる。そのひっかかりが、彼らが確かに自分たちの人生を生きた明かしなのではないだろうか。彼らの死に際を知れない私は、ただ彼らの生きた人生の1部分に触れ、1つの朗読を読み終わる度にこの命が奪われてしまったことに打ちひしがれた。

まるで自伝を読むように、しかし素敵な物語として、この作品は自分の人生も振り返らせてくれるように思える。

2015年1月22日

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