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ako062

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6作の短編からなるミステリー小説です。1つ1つの物語は独立していますが、どれも共通点を持っています。それは物語の結果に描かれる闇の部分です。主婦、サラリーマン、美人姉妹など、普通の人々の心の中に潜む闇をの部分をリアルさ満点に描いています。

この短編集では、トリックのようなものはありません。大げさな設定もありません。純粋に人間そのものを静かに表現しているだけです。ただ、ひとりひとりの登場人物の心が怖いのです。結末にその心の闇が判明すると、何ともイヤな気持ちになります。表題作の「満願」では、その結末にそんなことで?というのが第一印象でした。

でも私にとっての「そんなこと」は主人公妙子にとっては、自分の人生の8年間と引き換えに守りたかったものです。なぜ守りたいかを言及していないところも、想像を掻き立てられます。

全編、リアルで怖い作品集です。この怖さは作者である米澤穂信氏の書かれる美しい文章にあると思います。中でも「柘榴」は、美人姉妹が持つ偶像をへの歪んだ愛の正体を恥美的な文章で描き出しています。優雅で残酷な少女の一面を描いた2008年の作品「儚い羊たちの祝宴」に通じるところもあります。

2015年9月15日

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