Lala
映画化・アニメ化もされた本作品は、言論の自由を抑制しようとする動きにより攻撃対象となっている図書館およびその書籍を保護するための自衛組織に加入した背の高く力強い若き女戦士である主人公と、その教官を中心とした物語である。書籍が武力に脅かされる、ということは現代ではあまり考えにくいように思われるが、言論の統制や報道の規制は、日本を含める世界中で様々な見えない形で行われている。それがどれほど恐ろしいことかということも本作からは垣間見ることができる。ただ、本作が最もスポットを当てているのは憧れの戦士の影を追い求めて入隊した主人公と、そのおてんばで無邪気な彼女を管理する立場にある教官が繰り広げるラブストーリーである。なんだかありがちな設定のようにも思われるが、堅物で怖い人物である教官が次第にまっすぐな瞳を持つ主人公へと惹かれていく様子は引き込まれていってしまう。アニメとも映画とも違う、文章だからこそ伝わるドキドキ感がたまらない一冊である。
2015年4月4日