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nisi

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 映画化したので映画の方も見ましたが、やはり本の方が印象に残っています。文字のみの表現で映像を上回る作品はやはり良作だと感じます。教師と子供という枠を超えて、それぞれが人間として対峙し、向き合った作品と言えると思います。ただしそれは人間関係や思いやりというプラス方面の関係性ではなく、憎悪や敵対心や誰もが抱えている心の中のもやもやした不快感を浮き彫りにするようなものです。

 読み終えて印象的だったのは、娘を殺された女教師が、大人としての建前を脱ぎ捨てて教え子に対して牙をむいたという所です。それも、ただ娘を殺した憎い犯人を憎悪するというだけでなく、考えうる限り最もダメージの大きい方法で二人をひねりつぶしてやろうという魂胆のもと、大人の全力で子供を敵として葬り去るというのがこの作品のメインテーマのように思いました。

 思春期にありがちな子供の闇が小さな子供を殺し、その罪の大きさを、「子供」という免罪符はないのだと言って大人が断罪する。幼いからと言って許されないことが世の中にはあるということを示し、また、すねた目で大人を馬鹿にする子供に、今はやさしく手加減してくれている大人の恐ろしさを目の当たりにさせる作品です。

2015年2月21日

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